名著ですが解説が少ないという評判の「基礎英語長文問題精講」の解説を補足しています。本書の解説と別冊の解答・解説をよく読んだ上で、疑問点がある方は是非参考にしてください。
本文
7行目-:文構造、同格のカンマ
In the most general sense, globalization refers to the growing connectedness of different parts of the world, a process <which gives rise to complex forms of reciprocal communication and dependency>.
【和訳】最も一般的な意味において、グローバル化とは、世界中の異なった地域の結びつきが増していくこと、言い換えると、複雑な形の相互的な伝達と依存を生み出す一つの過程である。
カンマは同格で、the growing connectedness と a process ~ を言い換えています。
10行目-:文構造、セミコロンの働き(設問2)
Globalization arise only (when
┌ (a) activities take place in a context which is global or nearly so (rather than ~);
├ (b) activities are organized, planned or cooridinated on a global scale; and
└ (c) activities involves some degree of dependency on each other, such that ~).
本書の訳では、
「グローバル化が生じるのは、
(a)活動が・・・地球全体またはそれに近い範囲において行われるか、
(b)活動が地球的な規模で組織されたり、計画されたり、調整たりするか、
(c)活動がある程度の相互依存を伴い、そのために・・・か、
この三つのいずれかの場合においてのみである」
と、(a)(b)(c) の三つの条件を「OR条件」、つまり「(a)または(b)または(c)の場合」として訳しています。
しかし、13行目のセミコロンの後に and が使われていることから、私は、これら (a)(b)(c) は「AND条件」、つまり「(a)且つ(b)且つ(c)の場合」ではないかと思います。
尚、セミコロンは、原則として、and, but, for 等、何らかの接続詞の代わりをします。
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14行目:such that
activities involves some degree of dependency on each other, such that local activities situated in different parts of the world are shaped by one another.
【和訳(本書)】活動がある程度の相互依存を伴い、そのために世界の異なる部分での地域的な活動が相互に影響し合って形成されることになる。
such A that … で 「…ほどの A 」「大変な A なので…」という意味を表しますが、この A は省略されることがあります。
例:
Her delight was such (a delight) that she could not speak a word.
(彼女の喜びは大変なものだったので、言葉が出なかった)[結果]
(彼女の喜びは言葉が出ないほどのものだった)[程度]
尚、「結果」で訳すか「程度」で訳すかは文脈によりますが、どちらで訳しても問題ない場合が多いです(so ~ that … 構文も同様)。
本文での such that もこの使い方でしょう。省略されているものを補うとしたら a degree で、直前のカンマは、degree を具体化する同格の働きをしています。
activities involves [some degree of dependency on each other], [such (a degree) that local activities <situated in different parts of the world> are shaped by one another].
【和訳(直訳)】
活動がある程度の相互依存を伴い、その程度とは、大変なものなので、世界の異なる部分での地域的な活動が相互に影響し合って形成されることになる。[結果]
活動がある程度の相互依存を伴い、その程度とは、世界の異なる部分での地域的な活動が相互に影響し合って形成されるほどのものだ。[程度]
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