目的格補語として使われる準動詞(to不定詞、原形不定詞、現在分詞、過去分詞)の使い分けに関する練習問題をご紹介します。一般的な参考書や問題集では「分詞」「不定詞」「動詞の語法」など複数の単元に分かれている問題をひとまとめにしています。この練習問題を解けば「目的格補語」について体系的に理解できるようになるでしょう。尚、まだこの分野の理解が不十分な人だと思われる人は、先に以下の記事を読んでからこの練習問題に取り組むことをオススメします。
【関連記事】目的格補語の準動詞の使い分け、使役動詞・知覚動詞等の問題の解き方
練習問題
- Keep your eyes ( ) until I say OK.
① closed ② closing ③ close ④ to close 解答を表示
正解 ①
Keep your eyes closed until I say OK.
(私がいいというまで目を閉じていて)
【解説】「目」は(人間の意志によって)「閉じられる」という受動の関係
- I had the taxi driver ( ) us to the nearest hospital.
① take ② taken ③ took ④ was taken 解答を表示
正解 ①
I had the taxi driver take us to the nearest hospital.
(私はそのタクシーの運転手に、最寄りの病院まで連れて行ってもらった)
【解説】「タクシーの運転手」は「連れて行く」という能動の関係。直後に us という take の目的語があることもヒントになる
- I saw him ( ) by many kids.
① be surrounded ② surround ③ surrounded ④ surrounding 解答を表示
正解 ③
I saw him surrounded by many kids.
(私は彼が大勢の子供に囲まれるのを見た)
【解説】「彼」は「囲まれる」という受動の関係。by ~ もヒントになる
- The final game made me so ( ) that I could not remain seated.
① excite ② exciting ③ to excite ④ excited 解答を表示
正解 ④
The final game made me so
excited that I could not remain seated.
(最後の試合で私はとても興奮したので、席に座ってはいられなかった)
【解説】「私」は「興奮させられる」という受動の関係。excite, surprise, interest などの感情動詞は「~させる」という意味の他動詞で、「~する」という意味を表したいときは「~させられる」という受動の形で表現する。英語と日本語の発想の違いに注意。感情動詞の用法について詳しくは以下の記事を参照
【関連記事】
現在分詞と過去分詞の違い・使い分け【感情動詞・分詞形容詞】
- He got his knee ( ).
① injure ② to injure ③ injuring ④ injured 解答を表示
正解 ④
He got his knee injured.
(私はひざをケガした)
【解説】「彼のひざ」は「傷つけられる」という受動の関係。injure は「傷つける、けがをさせる」という意味の他動詞で、surprise 等の感情動詞と似た使い方をすることに注意
- His parents make him ( ) his homework before he goes out.
① to do ② do ③ doing ④ done 解答を表示
正解 ②
His parents make him do his homework before he goes out.
(彼の両親は、彼が外出する前に宿題をさせる)
【解説】「彼」は「する」という能動の関係。使役動詞で能動の場合は do。直後に his homework という目的語があることもヒントになる
- When I was crossing the street, I heard my friend ( ) my name.
① call ② calls ③ is calling ④ calls 解答を表示
正解 ①
When I was crossing the street, I heard my friend call my name.
(通りを渡っているとき、私は友達が自分の名前を呼ぶのが聞こえた)
【解説】「私の友達は」は「呼ぶ」という能動の関係。知覚動詞で能動の場合は do か doing。直後に my name という目的語があることもヒントになる
- I got my elder brother ( ) my English application to the American college.
① correct ② corrected ③ have corrected ④ to correct 解答を表示
正解 ④
I got my elder brother to correct my English application to the American college.
(私は兄に、私が英語で書いたアメリカの大学の申込書を直してもらった)
【解説】「私の兄」は「直す」という能動の関係。get で能動の場合は to do。直後に my English application という目的語があることもヒントになる
- I'll have your bag ( ) to your room.
① carry ② to carry ③ to be carried ④ carried 解答を表示
正解 ④
I'll have your bag carried to your room.
(あなたのカバンを部屋まで持っていってもらいましょう)
【解説】「あなたのカバン」は「運ばれる」という受動の関係
- She left the children ( ) outside.
① were waiting ② waited ③ waiting ④ were waited 解答を表示
正解 ③
She left the children waiting outside.
(彼女は子供たちを外で待たせたままにした)
【解説】「子供たち」は「待つ」という能動の関係。leave で能動の場合は doing。「子供たちは待たされる」という意味に引きずられて waited を選ばないこと。wait の意味は「待つ」(自動詞)であって、他動詞の「待たせる」ではない。自動詞の受動態(待たれる)は存在しない
- It's not easy to make yourself ( ) without using a language.
① understood ② understand ③ to be understood ④ to understand 解答を表示
正解 ①
It's not easy to make yourself understood without using a language.
(言葉を使わずに自分の言うことを理解してもらうことは難しい)
【解説】ここでの yourself は「あなたの言うこと」。「あなたの言うこと」は「理解される」という受動の関係。make+O+準動詞 は「強制」だけでなく make O 形容詞 と同様の「…を~(の状態)にする」という意味もある。make O done の形は、ほぼ make oneself understood か make oneself heard しか出てこないので、慣用表現として覚えてしまうのも有効
- We watched him ( ) the room and started talking.
① left ② to leave ③ on leaving ④ leave 解答を表示
正解 ④
We watched him leave the room and started talking.
(私たちは彼が部屋から出ていくのを見て、話し始めた)
【解説】「彼」は「出ていく」という能動の関係。知覚動詞で能動の場合は do か doing。直後に the room という目的語があることもヒントになる
- We should have some of our money ( ) for dollars at the airport.
① been exchanged ② exchange ③ exchanged ④ exchanging 解答を表示
正解 ③
We should have some of our money exchanged for dollars at the airport.
(私たちは空港でお金のいくらかをドルに換えたほうがよい)
【解説】「私たちのお金のいくらか」は「交換される」という受動の関係
- I sometimes help my brother ( ).
① do his homework ② for doing his homework
③ doing his homework ④ his homework 解答を表示
正解 ①
I sometimes help my brother do his homework.
(私はときどき弟が宿題するのを手伝う)
【解説】「私の弟は」は「する」という能動の関係。help は to do と do の両方を目的格補語にとることができる唯一の動詞
- She got her fingers ( ) in the door.
① catch ② caught ③ to catch ④ to be caught 解答を表示
正解 ②
She got her fingers caught in the door.
(彼女は指をドアにはさまれた)
【解説】「彼女の指」は(ドアに)「はさまれる」という受動の関係。④ の to be caught にした人は惜しい。たしかに get は能動の場合に O to do の形をとるが、受動の場合はわざわざ不定詞を使わず、シンプルな過去分詞 caught を用いる
- The driver kept the engine ( ) while we waited.
① run ② to run ③ running ④ ran 解答を表示
正解 ③
The driver kept the engine running while we waited.
(その運転手はエンジンをかけたままにしていた)
【解説】ちょっと注意が必要な問題。「エンジン」は人間によって「かけられる」ので過去分詞の run ではないか?と思った人は惜しい。「エンジン」はいったん人間によってかけられる(start される)が、その後は自動的に(能動的に)「動き続ける」ので、現在分詞の running が適切。もし「その運転手はエンジンをかけた」なら、以下のように過去分詞になる。keep と get という述語動詞のニュアンスの違いにも注目。
The driver got the engine started.
- I want this luggage ( ) to my room at once.
① take ② to take ③ taken ④ taking 解答を表示
正解 ③
I want this luggage taken to my room at once.
(私はすぐにこの荷物を部屋まで持って行ってほしい)
【解説】「私の荷物」は「運ばれる」という受動の関係。want は基本形が V+O+to do 型で、受動関係の場合 V+O+
to be done という形になるのが基本だが、to be が省略され V+O+done になることがある。詳しくは以下の記事の「補足」を参照
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目的格補語の準動詞の使い分け、使役動詞・知覚動詞等の問題の解き方
- Doctor Tanaka always tries to make his patients ( ) before an operation.
① relaxation ② relax ③ relaxing ④ to relax 解答を表示
正解 ②
Doctor Tanaka always tries to make his patients relax before an operation.
(田中先生はいつも手術前には患者はリラックスさせる)
【解説】「患者」は「リラックスする」という能動の関係。make+O+準動詞 は「強制」だけでなく make O 形容詞 と同様の「…を~(の状態)にする」という意味もある。尚、relax は感情動詞の一つで「リラックスさせる」という意味もあり、選択肢にはないが 以下のように relaxed を使ってもほぼ同じ文になる
Doctor Tanaka always tries to make his patients relaxed before an operation.
- I want to ( ). It seems to have gone wrong.
① have fixed this cassette recorder.
② have this cassette recorder fix.
③ have this cassette recorder fixed
④ have this cassette recorder fixing 解答を表示
正解 ③
I want to have this cassette recorder fixed. It seems to have gone wrong.
(このカセットレコーダーを直してもらいたい。故障しているようだ)
【解説】まずは have O do/done という形が可能であることを踏まえた上で、「カセットレコーダー」は「修理される」という受動の関係なので done を選ぶく。尚、選択肢 ① は実はなかなか惜しい。want, hope, expect, intend 等の「希望・意図」を表す動詞は、完了不定詞(to have done)と共に使い「~しておけばよかった(が実際はできなかった)」という意味(非実現)を表すことができるが、この場合、述語動詞は過去形にする。よって、I wanted to have fixed ~. だったら正しい文、文脈的にも可能
- They led ( ) that there was no danger.
① my believing ② me believing
③ me believe ④ me to believe 解答を表示
正解 ④
They led me to believe that there was no danger.
(彼らは危険がないことを私が信じるよう仕向けた)
【解説】lead O to do は「…に~するよう仕向ける」「…に~する気にさせる」という意味。仮にこれを知らなくても、選択肢 ② や ③ のように目的格補語に do や doing を取る形は、使役動詞・知覚動詞・keep/leave 等非常に少数派であり、その他ほとんどの動詞は S+V+O+to do の形をとることから、消去法で正解してほしい
- Don't let your queen ( ). If you do, you are sure to lose the chess match.
① be captured ② capture ③ captured ④ to be captured 解答を表示
正解 ①
Don't
let your queen be captred. If you do, you are sure to lose the chess match.
(クイーンを取られてはいけない。取られたら、きっと(そのチェスの対局で)負けるよ)
【解説】「クイーン」は「捕まえられる」という受動の関係。③ captured を選びたくなるところだが、let は要注意の動詞で、他の使役動詞 make, have とは異なり、受動の関係の場合は done ではなく be done という形をとる。かなりの難問と言える。詳しくは以下の記事の「補足」を参照
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目的格補語の準動詞の使い分け、使役動詞・知覚動詞等の問題の解き方
- Please ( ) me know your answer by tomorrow.
① tell ② bet ③ lead ④ get ④ let 解答を表示
正解 ⑤
Please let me know your answer by tomorrow.
(明日までにあなたの返事を教えてください)
【解説】know という原形不定詞が使われていることに注目。選択肢の中で原形不定詞を目的格補語にとることができるのは ⑤ let のみ。「私」は「知る」という能動の関係。尚、この問題は「教えてください」という日本語につられて ① tell を選ぶ人が多い。「tell me = let me know」と「show me = let me see」を書き換え公式として覚えておくとよい
- Learning foreign languages ( ) you to broaden your horizons.
① lets ② allows ③ makes ④ forbids 解答を表示
正解 ②
Learning foreign languages allows you to broaden your horizons.
(外国語を学ぶことで、あなたは視野を広げることができる)
【解説】to broaden という to不定詞が使われていることに注目。選択肢の中で to不定詞を目的格補語にとることができるのは ② allows のみ。直訳は「外国語を学ぶことは、あなたが視野を広げることを可能にする」。allow O to do は「許可」の意味が基本だが、無生物主語の場合は、enable O to do とほぼ同義で「可能にする」になることが多い
- She knew her son didn't like carrots, but she ( ) him eat them.
① forced ② got ③ let ④ made 解答を表示
正解 ④
She knew her son didn't like carrots, but she made him eat them.
(彼女は息子がニンジンを好きではないと分かっていたが、無理矢理食べさせた)
【解説】eat いう原形不定詞が使われていることに注目。選択肢の中で原形不定詞を目的格補語にとることができるのは、③ let と ④ made だが、文脈的に強制の意味を持つ made が適切
- Although her parents said "no" for a long time, they finally ( ) her go to Europe alone.
① allowed ② got ③ let ④ made 解答を表示
正解 ③
Although her parents said "no" for a long time, they finally let her go to Europe alone.
(彼女の両親は長い間同意しなかったが、やっと彼女が一人でヨーロッパに行くことを許した)
【解説】go という原形不定詞が使われていることに注目。選択肢の中で原形不定詞を目的格補語にとることができるのは ③ let と ④ made だが、文脈的に許可の意味を持つ let が適切
- This book will ( ) us to understand the country better.
① make ② get ③ take ④ enable 解答を表示
正解 ④
This book will enable us to understand the country better.
(この本を読めば私たちはその国をよりよく理解できる)
【解説】to understand という to不定詞が使われていることに注目。選択肢の中で to不定詞を目的格補語にとることができるのは ② get と ④ enable だが、文脈的に「可能にする」の enable が適切。直訳は「この本は私たちがその国をよりよく理解することを可能にする」。get は have に近い「依頼」や「被害」の意味で、基本的に主語は人になる
- Bad weather ( ) me to stay in London for three more days.
① made ② compelled ③ checked ④ prevented 解答を表示
正解 ②
Bad weather compelled me to stay in London for three more days.
(悪天候のために、私はさらに3日間、ロンドンに滞在しなければならなかった)
【解説】to stay という to不定詞が使われていることに注目。選択肢の中で to不定詞を目的格補語にとることができるのは ② compelled のみ。compel O to do で force O to do とほぼ同義。直訳は「悪天候が、私がもう3日間ロンドンに滞在することを強制した」。④ prevented は prevent O from dong という形で用いる
- John's vast knowledge didn't ( ) him solve the problem.
① cause ② save ③ allow ④ help 解答を表示
正解 ④
John's vast knowledge didn't help him solve the problem.
(ジョンの幅広い知識は、彼がその問題を解決するのに役に立たなかった)
【解説】solve という原形不定詞が使われていることに注目。選択肢の中で原形不定詞を目的格補語にとることができるのは ④ help のみ。help は 目的格補語に to不定詞(to do)と原形不定詞(do)の両方をとることができる唯一の動詞
- You had better ( ) the students to find out for themselves.
① make ② let ③ have ④ leave 解答を表示
正解 ④
You had better leave the students to find out for themselves.
(学生たちには自分たちで発見させるべきだ)
【解説】to find out という to不定詞が使われていることに注目。選択肢の中で to不定詞を目的格補語にとることができるのは ④ leave のみ。leave O to do で「O に~することを任せる」の意味。仮にこれを知らなくても、その他の選択肢がいずれも使役動詞で、目的格補語に do(原形不定詞)を取ることから、消去法で正解してほしい
- The doorman didn't ( ) me to enter the theater.
① admit ② forgive ③ let ④ permit 解答を表示
正解 ④
The doorman didn't permit me to enter the theater.
(そのドアマンは私が劇場に入るのを許可してくれなかった)
【解説】to enter という to不定詞が使われていることに注目。permit O to do は allow O to do とほぼ同義であることを覚えておくこと。他の選択肢については、まず ③ let は真っ先に消す。② forgive、④ admit は V+O+to do 型を取れそうで取れない頻出動詞。admit に関しては、動名詞を目的語にとる代表的な動詞でもあり、未来志向的な表現とは相性が悪いこともヒントになる。動詞の細かい語法はコツコツと覚えていくしかない