例題
次の英文の( )に入れるのに最も適当なものを、1~4のうちから一つ選べ
問1.
New York is a city ( ) I have long wanted to visit.
1. where 2. which 3. what 4. who
[センター試験]
問2.
This is an area ( ) you need to work harder.
1. in that 2. that which 3. where 4. which
[南山大]
問3.
The garage ( ) I keep my car in is just around the corner.
1. where 2. which 3. of which 4. when
[東邦大]
解答・解説
名詞と副詞の区別
関係代名詞と関係副詞を区別するには、まず前提として「名詞」と「副詞」の違いをしっかり理解することが重要になります。
「名詞」と「副詞」の違いはいろいろありますが、とりあえず関係詞の穴埋め問題を解くために必要な知識として、
- 名詞:文の要素(S, C, O)になる = ないと文が成立しない!
- 副詞:文の要素にならない = なくても文は成立する!
ということをよく覚えておいてください。このことがピンと来ない人は、先に以下の記事を読むことをおすすめします。
【関連記事】名詞・形容詞・副詞の違いとは?
また、「副詞(句)=前置詞+名詞」ということも是非覚えておいてください。例えば、以下の文では
- The boys are playing (there).
- The boys are playing (in the park).
there は「副詞」、in the park は「前置詞+名詞」ですが、どちらも動詞の playing を修飾しています。つまり、「前置詞+名詞」が、副詞の働きをしていることが分かるでしょう。
【関連記事】句と節とは?
「完全文」「不完全文」とは?
さて、本題に入ります。関係代名詞と関係副詞の使い分けに関しては、よく以下のことが言われます。
- 関係代名詞 ⇒ 不完全文
- 関係副詞 ⇒ 完全文
「関係代名詞の後ろには不完全文が続く」「関係副詞の後ろには完全文が続く」ということです。
正しい説明ではあるのですが、そもそも「完全文とは何か?」「不完全文とは何か?」ということをはっきり理解していない人が多いようです。
そこで、「完全文」「不完全文」とは以下のように考えてください。
- 不完全文 = 名詞が欠けている(名詞だけが欠けている)
- 完全文 = 名詞が欠けていない(何かが欠けているとしたら副詞 または 前置詞+名詞 が欠けている)
シンプルな問題で確認してみましょう。( ) 以降が完全文か不完全文かを考えながら、( ) 内に which と where のどちらが入るのか考えてみてください。
- This is the house ( ) he built.
- This is the house ( ) he lives.
- This is the house ( ) he lives in.
まず 1 について、he built とは完全でしょうか、不完全でしょうか?
ここで必要になるのが「自動詞」「他動詞」の知識です。
build は「~を建てる」という意味の他動詞で、「~を」という目的語を必要とします。「目的語=名詞」ですので、この文は、名詞が欠けた不完全文ということになります。名詞が欠けているので、関係代名詞の which を入れる、と考えます。
正解:This is the house (which) he built.
では 2 について、he lives とは完全でしょうか、不完全でしょうか?
ここがちょっと分かりにくいところです。live は自動詞ではありますが、he lives という文は、何か物足りないような気もします。物足りないので不完全文と考えてしまう人もいるかもしれません。
しかし、上で述べたように、「不完全」の定義とは「名詞が欠けている」ということです。
he lives の後ろに名詞を置くことができるかというと
he lives the house とは言えませんね。言うとしたら
he lives in the house です。
つまり、欠けているものは「名詞」ではなく「前置詞+名詞」です。
また、上で述べたとおり、「前置詞+名詞=副詞」です。副詞は文の要素にならない(なくても文が成立する)ものなので、前置詞と名詞がセットで欠けている場合は「完全文」と考えてください
。
よって、この文は名詞が欠けてはいません。何かが欠けているとしたら欠けているものは副詞なので、関係副詞の where を入れます。
正解:This is the house (where) he lives.
このことは、3 と見比べてみるとよりすっきり理解できると思います。
he lives in という文は見るからに不完全ですが、大事なことは、前置詞で終わっているということです。前置詞の後ろには名詞が来ますので、その名詞がない、つまり名詞が欠けているということが分かります。名詞が欠けているときに入れるものは、関係代名詞の which ですね。
正解:This is the house (which) he lives in.
例題1 解説
問1. 正解2
New York is a city (which) I have long wanted to visit.
1. where 2. which 3. what 4. who
(ニューヨークは、私が長い間訪れたかった街だ)
関係詞をそこそこ勉強した人でも結構間違える問題です。ポイントは visit が他動詞だということ。visit の後ろに来るべきものは 目的語=名詞です。ところが visit を自動詞と勘違いしている人が意外に多く、英作文で I visited to the city. (to は不要)
などと書いてしまう人はこの問題を間違えます。要注意!
例題2 解説
問2. 正解3
This is an area (where) you need to work harder.
1. in that 2. that which 3. where 4. which
(ここは、あなたがもっと一生懸命働く必要がある場所[分野]だ)
文脈から、ここでの work は「働く、勉強する」などの意味の自動詞です。よって work の後ろには in an area(前置詞+名詞)が来るべき(=欠けている)と考えます。ちなみに、work には「動かす、働かせる」という他動詞もあるので、そこまで深読みした人は、名詞が欠けているので which? と迷ったかもしれません。それでも work an area(場所を動かす?) はちょっと変だな、と気付いてほしいところです。
例題3 解説
問3. 正解2
The garage (which) I keep my car in is (just) (around the corner).
1. where 2. which 3. of which 4. when
(私が車を停めているガレージはちょうどその角を曲がったところにあります)
まず文構造を考えましょう。[The garage ( ) I keep my car in] が文の主語ですので、( ) 以降の I keep my car in が完全か不完全かを考えます。前置詞で終わっているので、明らかに名詞が欠けた不完全文ですね。