名著ですが解説が少ないという評判の「基礎英語長文問題精講」の解説を補足しています。本書の解説と別冊の解答・解説をよく読んだ上で、疑問点がある方は是非参考にしてください。
本文
4行目:attachment
attach や attachment は、日本語で言う「付」や「着」のイメージで、そこからいろいろな訳が生まれます。特に「愛着」の意味は頻出ですので、しっかり覚えておきましょう。ここでは「(組織に)くっ付いていること」⇒「所属」くらいに考えます。
8行目:文構造
It is this that will determine his length of stay.
【和訳】彼がどのくらい長くとどまるかを決めるのはこのことである。
強調構文。This will determine his length of stay. の this を強調したもの。
15行目-:feeling to do:同格の不定詞(不定詞の形容詞的用法)
American like this feeling <of independence> <to move according to their individual needs>.
【和訳(直訳)】アメリカ人は、自分たちの個人的な必要に従って動くというこのような自立の感情を好む
受験生にとってはちょっと細かい話ですが、個人的に気になったので記しておきます。文法マニアの方以外は気楽に読み流してください。この to move は this feeling を同格関係で修飾するものと考えられます。この不定詞は、形容詞的用法に分類されることが多いですが、名詞的用法と解釈することもでき、あまりその違いにこだわる必要はありません。
むしろ大事なことは、このパターンの不定詞は、以下のように不定詞と共に用いられる派生元の表現があり、to 不定詞を目的語にとる未来志向の動詞が多いということです。
- decision to do(← decide to do)「~する(という)決断」
- intention to do(← intend to do)「~する(という)意図」
- desire to do(← desire to do)「~する(という)願望」
- ability to do(← be able to do)「~する(という)能力」
- reluctance to do(← be reluctant to do)「~する(という)不本意さ、気の進まなさ」
ところが feel に関しては feel to do というのは正しくなく、ご存知のように feel like doing が正しい表現です。その意味では例外的とも言えますが、意味的には feel like doing は want to do とほぼ同義ですので、やはり未来志向の表現とも言えます。
ただし feeling という名詞を feeling to do という形で不定詞と共に使う用法は、辞書には記載されていないので、現時点ではあまり標準的ではないのかもしれません。標準的なのは、
- feeling of doing
- feeling that SV
という、同格の of や that 共に使う形です。そこからの類推で feeling to do という表現が派生したものと思われます。
20行目:move about
Americans move about as individuals
【和訳】アメリカ人は個人として動き回る[⇒たびたび転職する]
ここでの about は「あちこちを、ほうぼうを」と言う意味の副詞。around にも同じ意味の副詞があり、言い換えることができます。
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21行目:interest
ここでは「利益」という意味。基本単語ですが、この意味を知らない受験生が意外に多いので指摘しておきます。知らなかった人は気を付けてください!「利益」=「人に興味・関心を起こさせるもの」なので、このような意味が生まれています。
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