名著ですが解説が少ないという評判の「基礎英語長文問題精講」の解説を補足しています。本書の解説と別冊の解答・解説をよく読んだ上で、疑問点がある方は是非参考にしてください。
本文
1行目:文構造
Television now plays such an important part in so many people’s lives that it is essential for us to try to decide whether it is a blessing or a curse.
【和訳】テレビは今日非常に多くの人々の生活において、非常に重要な役割を果たしているので、それが果たして恵なのか災いなのかを考えてみることが重要だ。
such ~ that … と so ~ that … の構文が合わさった形の構文。
5行目:outweigh
But do the former outweigh the latter?
しかし、前者は後者より重いだろうか。
outweigh は「~より重い、~より強い」という意味の動詞。接頭辞の out が「~よりも…」という意味を表します。
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11行目:文構造
All <they have to do> is [turn a knob].
【和訳(直訳)】彼らがしなければならないことの全ては、つまみを回すことだけだ。
【和訳(意訳)】彼らは、つまみを回しさえすればよい。
ここでの all は代名詞「全てのこと」で、they have to do という関係詞節の先行詞になっています(関係代名詞 that の省略)。
また、補語の turn a nob は、文法的には本来 to turn a nob となるべき、不定詞の名詞的用法ですが、この構文ではしばしば to は慣用的に省略されます。
これらの省略のない完全な文としては以下のようになります。
All <that they have to do> is [to turn a knob].
12行目:knob
knob(ノブ)は、「ドアノブ」という言葉からも分かるように、基本的には「握り、取っ手」という意味です。本文のように「(電気器具の)つまみ、スイッチ」という意味で使うこともありますが、これもやはり(ドアノブ的な)つまみやダイヤルタイプのスイッチを持つ電気器具に使います。このタイプのテレビは相当レトロなもので、最近は見かけませんね。ちなみにこの本(A new way to proficiency in English / J.L.Cool)の初版発行は1967年だそうです。
24行目:主語に含まれる最上級、強調の right
The most distant countries and the strangest customs are brought (right) into one’s sitting-room.
【和訳(本書)】最も遠く隔たった国々や最も珍しい習慣が、自分の茶の間に持ち込まれる。
【和訳(意訳)】最も遠く隔たった国々や最も珍しい習慣でさえ、茶の間に居ながらにして見ることができる。
最上級には譲歩「~でさえ(=even)」の意味が含まれることがあります(※別冊P68参照)。特に主語に最上級が含まれる場合はほとんどの場合譲歩と考えてよいでしょう。例えば以下のような例文です。
The wisest man can make mistakes.
(最も賢い人でさえ間違うことがある = Even the wisest man ~.)
今回の本文は、直訳では譲歩の訳はしっくりこないかもしれませんが、「最も遠く隔たった国々や最も珍しい習慣でさえ、茶の間に居ながらにして見ることができる」と考えれば、やはり譲歩のニュアンスは含まれていると考えられます。
また、brought right into の right は副詞で「まったく、すっかり」などという意味を表し、直後にある副詞(句)を強調する働きがあります。ここでは「まさに自分の茶の間に持ち込まれる」くらいの訳に相当するでしょう。
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