基礎英語長文問題精講 問題25 解説

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名著ですが解説が少ないという評判の「基礎英語長文問題精講」の解説を補足しています。本書の解説と別冊の解答・解説をよく読んだ上で、疑問点がある方は是非参考にしてください。

本文

4行目:rightly、構文把握、内容把握

They quite rightly see no need for this and feel that Japan has already shown itself (to be) the most open country in the world (to foreign influences).
【和訳】彼ら[日本人]はもっともなことに、これ[国際化]の必要があるとは考えておらず、日本は既に外国の影響に対して最も開かれた国であると感じている。

rightly はなかなか厄介な単語です。まず文修飾かどうかを見分けるのが難しいというのが一つ。また、文修飾だと分かっても、なかなか上手い訳を見つけるのが難しいです。文修飾の場合、ニュアンスとしては「筆者の主観的な意見として、それが正当[もっとも・当然]だと考えている」ということ。本書は「当然のことながら」と訳していますが、この文脈では若干違和感を感じたので、「もっともなことに」という訳を当ててみました。

this が指しているものは、本文のテーマである Westernization。この文内にある foreign が言い換えになっています。

showshow O (to be) C (O が C であることを示す)という形を取れる第五文型。このタイプは、to be が省略可能であることも押さえておきましょう。
【関連記事】基礎英語長文問題精講 問題21 解説

to foreign influences の to は、open country in the world の open とのつながり。(open to ~~に対して開かれている)

9行目:be true of

be true of は、語句解説にもある通り「当てはまる」の意味。「なぜ of ?」と感じる人は、ここでの ofabout の意味(「~について当てはまる」)だと考えましょう。例えば think of は think about とほぼ同じ意味です。

ただし、be true about というつながりはあまり一般的ではありません。of 以外の前置詞であれば、be true forbe true with は比較的よく見られます。

17行目:attitude

I do not mean the changing of external life styles but development of internal attitudes.
外面的な生活様式の変化でなく、内面的な新しい考え方の発達を意味する。

attitude は訳し方が難しい単語の一つです。「態度」という訳語で覚えている人も多いかと思いますが、この文脈ではあまりしっくりきません。

attitude は、Oxford Learners Dictionaries では以下のように定義されています。

  • the way that you think and feel about somebody/something
    (誰か/何かについての考え方・感じ方
  • the way that you behave towards somebody/something that shows how you think and feel
    (誰か/何かに対して自分の考え方、感じ方を表す際のふるまい方

後者が「態度」に当たりますが、前者は「考え方」と訳すのがよさそうですね。是非「考え方」という訳語を覚えておいてください。

20行目:構文把握、the のつかない 最上級

The attitude <that (now) is (most) in need of change> is the way <we view the relationship of ourselves and our countries to other lands>.
【和訳】今、最も[非常に]変化が必要とされている考え方は、私たちが、自分たちや自分の国と、他の国との関係をどのように見るかということである。

まず、nowmost という二つの副詞が挿入されていることを見抜くこと。

また、most に the がついていないことに注目してください。本書の和訳では、most は「最も」と訳されていますが、ここでは「非常に」と訳すのもありです。副詞の最上級では the を省略することができるので、そう取れば「最も」になりますが、最上級には、very の意味を表す「絶対最上級」と呼ばれる用法もあるので、そう取れば「非常に」になります。the のつかない副詞の最上級がどちらの意味になるかは文脈判断となります。

relationship ~ のところは、relationship A to B (← relate A to[with] B)のつながりであることを見抜くこと。よって、対比しているものは 「ourselves and our countries」と「other lands」になります。

27行目:無生物主語構文、If節のない仮定法

their full use would destroy civilization
【和訳(直訳)】それらの完全な利用、文明滅ぼしてしまうだろう。
【和訳(意訳)】それらを完全に利用すれば、文明滅んでしまうだろう。

無生物主語構文は、「主語を副詞的に」、「目的語を主語的に」訳します。ここでの「副詞的」は「if節」です。
【関連記事】基礎英語長文問題精講 問題24 解説

また、助動詞の would にも注目します。文脈的に仮定法の would ですが、If節が主語(their full use)の中に含まれているパターンだと考えられます。

35行目:in the past

it[=Japan] has (played) in the past
【和訳】日本が過去に果たしてきた

in the past(昔、過去において)は、明確な過去の一点を表すわけではないので、現在完了と共に使うことができます。before が現在完了で使えるのと似ていますね。文法問題のひっかけで出そうなので注意してください。

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