基礎英語長文問題精講 問題23 解説

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名著ですが解説が少ないという評判の「基礎英語長文問題精講」の解説を補足しています。本書の解説と別冊の解答・解説をよく読んだ上で、疑問点がある方は是非参考にしてください。

本文

1行目:what if ~?

what if ~? は本書の解説にもある通り「もし~だとしたらどうだろう」等の意味で、
what (will happen) if ~ や what (will you do) if ~ などの省略表現と考えられます。(仮定法であれば、will の部分は would になります。)
この表現は、以下のポイントに注意してください。

  • 節が1つしかない(主節が省略されているから)
  • 平叙文の語順(疑問文の部分が省略されているから)

例えば、以下は2012年日本女子大学の入試問題(長文の中の空所補充)ですが、このような問題では、文脈を見ずとも形だけで what if(選択肢a)が正解だと分かります。

・・・but (  ) the risk increases to one in a hundred or one in twenty-five?
a. what if  b. when  c. where  d.why
【和訳】しかし、そのリスクが1/100や1/25まで増えたらどうだろうか。

15行目:humanity

humanity には「人間性」と「人類」の意味がありますが、本書の和訳にもある通り、ここでは「人類」の意味。17行目の human beings との言い換えになっています。

17行目~:文構造

They fear that future humans will choose a direction <away from thinking> and <toward automation>.
【和訳(直訳)】彼らは、未来の人間が、考えることから離れた、且つ自動化に向かう道を選ぶことを恐れている。

<away from thinking> と <toward automation> は、どちらも a direction を修飾する形容詞句

20行目~:文構造

It is , of course, hundreds of years too early to know, but ・・・
【和訳】もちろん、それ(彼らが正しいかどうか)を知るには何百年も早いが、・・・

この it を形式主語の it と解釈しないように注意!it が指しているものは、前の文の Are they right?(彼らが正しいかどうか)で、主語の it と 節の終わりの know の間に O – V 関係が成り立っています。
(= It is, of course, hundreds of years too early to know whether they are right, but・・・)

このことは、この節が、目的語が欠けた他動詞の know で終わっていることから判断できます。
(参考:本書 P45 の「be + 形容詞 + 不定詞」の解説)

また、この文が of coursebut … の譲歩構文であることも押さえておくこと。

23行目:while(S may V)

While computers may be good colleagues, they can only do exactly what humans tell them to do.
【和訳】コンピュータはよい仲間かもしれないが、人間がするように言ったことしかできない。

本書の解説にある通り、この whilethough (even though)の意味。while にはいろいろな訳し方がありますが、全てに共通して言えるのは「対比」のニュアンスです。以下のように考えれば、代表的な3つの意味を無理なく関連付けて覚えることができるでしょう。

  1. ~の間に…」:同じ時間内に起こった二つの事柄の対比
  2. ~である一方…」:二つの事柄の対比
  3. ~だが…」:2 の用法で、対比のコントラストが強い場合

2 と 3 は、区別がつきにくい場合も多いです。

また、ここでの may は、while と相関する、S may V, but …(SV かもしれない、しかし…) という譲歩構文の変形バージョンです

27行目:文構造

・・・ people know that they will never be able to have a life free from computers (in the future), ・・・
【和訳】人々は、将来コンピュータのない生活は決してできないことを知っている

以下の3点に注意

  • they が指しているものが people であること
  • have が使役動詞であること
  • free from ~(~がない)

設問

問3

意外と難しい問題です。この they は、二つ前の文の they(17行目)と同じですが、この近辺だけ読むと、直前の文にある such people(ボタンを押すだけの人々)を指しているようにも見えなくありません。

まず一つの考え方として、段落の趣旨を踏まえます。段落の趣旨は多くの場合、段落の最初の文に含まれており、本文では13~15行目(下線部A)の「『多くの人々が、コンピューターが人間に悪影響を与えるのではないか』という懸念している」が趣旨になります。

この内容は、14~17行目にかけて、以下のような言い換えがされています。「人々」の部分だけでなく「懸念している」の言い換えにも注目してください。

  • many people have serious doubts ~(14行目)
  • These people are afraid ~(15行目)
  • They fear ~(17行目)

また、20行目の Are they right? の they と、22行目の they are wrong の they が同じだということも押さえてください。Are they right? という疑問文に対する答えが、they are wrong ということです。

問題は、17行目の they と 20行目の they を結び付けることですが、段落の趣旨や、上のように何度も言い換えをしていることを踏まえ、これは大事な they で、最初に出てきた「懸念している人々」ではなかろうかと当たりをつけます。Are they right? とは「懸念している人々は正しいか?(懸念することは当たっているのか)」と考えれば筋も通ります。

このことは、29行目の they are becoming less afraid of them で明らかになります。この段落は、22行目の they are wrong を具体化している「なぜそれが間違っているか」=「懸念することが当たっていないか」を説明している)段落ですので、「人々がだんだん懸念しなくなっている」ということは、この「人々they)」は明らかに「懸念している人々」ですよね。

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