基礎英語長文問題精講 問題15 解説

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名著ですが解説が少ないという評判の「基礎英語長文問題精講」の解説を補足しています。本書の解説と別冊の解答・解説をよく読んだ上で、疑問点がある方は是非参考にしてください。

本文

1~3行目:文構造と並列関係。and の前のカンマ

The best way <to become yourself liked> and <to make friends> is
[to like people enough (to become interested in [what interests them])]
, and [to be outgoing and friendly].
【和訳】自分が人に好かれる、また友達を作るための最良の方法は、その人に興味を持たせるもの[=その人が興味を持っているもの] に(自分も)興味を持つほどにその人を好きになることと、社交的に且つ親しみやすくなることだ。

文構造が複雑で、言っていることも分かりにくい箇所。, and 以下の to be ~ の部分は、to like ~ との 補語の並列になっています。

to become ~ との並列と考えるのがなぜいけないかと言うと、意味的にもおかしいというのもありますが、見分けるポイントand の直前のカンマです。このような and の前のカンマは、比較的大きい区切りを表します。つまり、to be ~ は、to become ~ よりも外側 にある to like ~ との並列であることを筆者が明示しているのです。

4行目:interested

The truly interested and outgoing person is very rare.
【和訳】本当に(他人のことに関心があり、社交的な人というのは非常に稀だ。

ここでの interested は、2行目の become interested in what interests them のこと。その人自身が他人のことに興味を持っている、そういう人のことを指しています。この部分を「面白い人」などと訳さないように!(interesting と interested の違い)

6行目:instead of(対比構造)

We go about thinking of what we are going to do, what we hope or fear is going to happen to us, instead of thinking or caring about what happens to those about us.
【和訳】我々は、自分の周囲の人[=他人]の身におこることを考えたり、気にしたりせずに、自分のがしようしていることや、自分の身に起こってほしい、または起こってほしくないこと[=自分のこと]を考えながら暮らしている。

we hope or fear の構文把握がポイントの箇所ですが、構文をとることだけに気を取られずに「結局何を言いたいのか」という内容把握にも注意しなくてはいけません。その助けになるのが instead of という対比ディスコースマーカーです。
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instead of の前で言っているのは、ざっくり言うと「私たち=自分」のこと。instead of の後で言っているのは「自分の周りの人=他人」で、この両者が対比されています。そう考えると、やや分かりにくい those about us という表現もピンと来るでしょう。

ちなみに、この those about us は、2行目の people や、10行目の others の言い換えになっています。

18~25行目:内容把握

訳すことはできても、何を言っているのか分かりにくい箇所です。18~19行目の To let this sensitiveness center about ourselves は、「他人のことを気にするあまり『人は自分のことをどう思っているんだろう』と考えてしまう」ようなことを指しているのでしょう。一見、5~9行目で述べられている「ほとんどの人は自分のことばかり考える」という趣旨と同じことを指しているようにも見えますが、そうではなくむしろ逆。筆者の主張は、10~11行目で述べられている通り、sensitive になること(他人を気にすること)で、それが oversensitive(行き過ぎ)になってはいけないということです。

構文把握力精読力をつけたい方にはこちらがオススメです。

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