センター試験で恒例の発音問題について、勉強法・対策・攻略法・コツを教えてほしいという相談をよく受けます。「アクセント」については法則を覚えることがが非常に有効ですが、それに比べると「発音」は、残念ながら一つ一つ覚えるしかないという側面が強いです。しかしそんな中でもある程度の法則性はあり、覚えておくことによって正答率は間違いなくアップします。今回は、覚えておく価値のある発音の法則を厳選してご紹介します。
尚、今回説明する内容は、発音記号をある程度理解していることを前提としています(特に[æ][ʌ][ɑ][ɔ]の4つ)。発音記号を読めない方は、先に以下の記事に目を通しておくことをオススメします。
【関連記事】発音記号の一覧と読み方・覚え方の解説(音声付き)
また、アクセントの法則については以下の記事でご紹介していますので併せて参照してください。
【関連記事】覚えておきたいアクセント7つの法則(ルール)
目次
ルール1:「ローマ字」か「アルファベット読み」のどちらか
まず大原則として、英語の母音の読み方には、「ローマ字読み」と「アルファベット読み」の2つがあることを理解してください。表にすると以下の通りです。
スペル | a | i | u | e | o |
---|---|---|---|---|---|
ローマ字読み (短母音) | ア [æ] | イ [i] | ウ [u][ʌ] | エ [e] | オ [ɔ/ɑ] |
アルファベット読み (二重母音/長母音) | エイ [ei] | アイ [ai] | ユー [juː][uː] | イー [iː] | オウ [ou] |
「ローマ字読み」とは、「a, i, u, e, o」のスペルを、ローマ字の「ア、イ、ウ、エ、オ」のように、短い音(短母音)で読む読み方のことを言います。正確な発音としてはそれぞれ [æ][i][u][e][ɔ] です。
ローマ字読みについて補足すると、「ア」の音にもいろいろありますが、「a」のスペルの発音は [æ](エとアの中間)の音で読むのが基本です。「u」のスペルについては、「ウ」だけでなく、実際の単語では bus [bʌ́s](バス)のように [ʌ](ア)と読むこともありますが、これは実際には u のスペルで一番多い発音ですので、「ウ」の仲間に入れてしまいます。「o」のスペルについては、対応する音の [ɔ](オ) はイギリス英語の発音で、アメリカ英語では [ɑ](ア)と読みますが、この二つは表裏一体の音ですので、「オ」の仲間に入れてしまいます。
「アルファベット読み」とは、「a, b, c …」を「エイ、ビー、スィー」と読むように(「a」は「エー」ではないことに注意!)、「a」を「エイ」、「i」を「アイ」、「u」を「ユー」、「e」を「イー」、「o」を「オウ」と読む読み方のことを言います。正確な発音としてはそれぞれ [ei][ai][juː][iː][ou] で、二重母音か長母音かのいずれかです。
アルファベット読みについて補足すると、「u」のスペルは実際の単語では [uː](ウー)と読むこともありますが、これも長母音ですので、[juː] (ユー)の仲間に入れてしまいます。
大事なことは、英語の母音の発音は基本的に、この「ローマ字読み」か「アルファベット読み」のどちらかしかないということです。例えば、major(大きい、主要な)という単語は、カタカナ英語では「メジャー」と読まれますが、a の読み方は [æ](ア)か [ei](エイ)のどちらかであって、[e](エ)と読むことはありません。つまり「メジャー」と読むことはありえないのです。可能性としては「マジャー」か「メイジャー」のどちらかということになりますが、「マジャー」はちょっとおかしいので、[méidʒər](メイジャー)が正しいと判断します。
このルールは、多くのカタカナ英語の誤った発音をを避けることができるという意味でも有効です。
- lady [léidi](レイディ) ※「レディー」ではない
- danger [déindʒər](デインジャー) ※「デンジャー」ではない
- strange [stréindʒ](ストレインジ) ※「ストレンジ」ではない
- ghost [góust](ゴウスト) ※「ゴースト」ではない
- focus [fóukəs](フォウカス) ※「フォーカス」ではない
とは言え、この大原則にも例外はあり、それぞれのスペルでイレギュラーな読み方をする場合があります。以下が代表的なものです(要注意のものは赤字にしています)。
- [ɑː](アー):father [fɑ́ːðər]
- [e](エ):any [éni], many [méni], Thames [témz](テムズ川)
- [ɔː](オー):false など al のスペル(詳しくは後述)
- [ɔ/ɑ](オ/ア):wash など wa のスペル(詳しくは後述)
- [i:](イー):machine [məʃíːn]、unique [juːníːk]、routine [ruːtíːn](日課)、fatigue [fətíːg](疲労)
- [i](イ):busy [bízi]、business [bízines]
- [e](エ):bury [béri](埋める)、burial [bériəl](埋葬)
- [i](イ):English [íŋgliʃ]、England [íŋglənd]、pretty [príti]
- 後述(「om, on, ov の o は [ʌ]」を参照)
ルール2:サイレントe の直前はアルファベット読み
これも前項の大原則の続きと言ってもいいようなルールです。例えば take という単語は、もちろん「タケ」ではなく「テイク」と発音します。broke は「ブロケ」ではなく「ブロウク」と発音します。このように、英単語では語末に発音しない e があることが多く、この e のことを「サイレントe」と呼びます。
ここからが本題です。例えば take の場合、a をローマ字読みの「ア」ではなく、アルファベット読みの「エイ」と発音し、broke の場合は、o を「オ」ではなく「オウ」と発音することに注目してください。これは「サイレント e の直前にある母音はアルファベット読みをする」ルールによるものです。以下の表を見てください。
スペル | a | i | u | e | o |
---|---|---|---|---|---|
ローマ字読み | rat [æ] | bit [i] | put [u] | pet [e] | not [ɔ][ɑ] |
アルファベット読み | rate [ei] | bite [ai] | dispute [juː] | compete [iː] | note [ou] |
法則性が見えたでしょうか?「サイレント e の直前にある母音はアルファベット読みをする」一方で、rat や bit のように、サイレントe ではなく、子音で終わっている単語では、直前の母音をローマ字読みしていることも分かると思います。
また、このルールを知っていれば、初めて見る単語でも発音を推測することができます。例えば Speke という人名を読めるでしょうか?この語は語末がサイレントe です。よって直前の母音である e はアルファベット読み、つまり「イー」になるはずですので、発音は [spiːk](スピーク)になります(※speak と同音)。
正直なところ、このルールは例外も多く(have, live, love など)、また入試では原則通りのものよりも例外的なものの方が好まれるので、出題頻度は高くはありません。しかし、逆に言えばこれは知ってて当然の原則であり、出題されたときに正しく読めなかったらアウトです。しっかり理解しておいてください。
問. 下線部の発音が他と異なるものを1つ選べ
ルール3:「アー」はスペルが「ar」か「それ以外」かで区別
例題. 下線部の発音が異なるものを1つ選べ
1. purchase 2. farm 3. heard 4. determine 5. world
これら5つの単語の下線部は、カタカナで表すといずれも長母音の「アー」になります。まずはこのことをしっかり確認してください。もし選択肢を見た時点で「アー」と発音しなさそうなものがあったら、それはこのルールの対象外です(例えば、同じ ear のスペルでも heard は「アー」で、wear は「エア」)。その意味では、この中で一つ注意してほしいのは 5 の world です。or のスペルは、原則「オー」と発音しますが(例:fork)、w- がついた world などは「アー」と発音します(詳しくは、後述する「w- がつくといろいろ変わる」を参照)。
ということで、これらが全て「アー」と読みそうであることを確認したら、スペルに注目し、「アー」の部分が「ar」なのか「それ以外」なのかで区別します。
- ar
⇒ [ɑː] (口を大きく開けて「アー」) - それ以外(ur, ir, er, ear, wor など)
⇒ [əː] (口を小さくこもった感じで「アー」)
非常にシンプルなルールなので覚えやすいでしょう。よって、上の例題の正解は 2(farm)となります。
ただし、このルールには超重要な例外が2つがあります。
それは heart と guard です。
heart と guard は、ar かそれ以外か?という観点では 「それ以外」になりますが、発音はそれぞれ ar タイプの [hɑːt] [gɑːd]となります。heart については、一文字違いの heard との区別に十分注意してください。heard の発音は原則通り [həːd] です。尚、guard については、gu- の u を発音しないため、gu[g] + ard と考えれば、ar タイプの原則通りとも言えます。
問. 下線部の発音が他と異なるものを1つ選べ
- 1. far 2. firm 3. first 4. fur 解答を表示
- 1. herd 2. thirsty 3. heart 4. journey 5. worm 解答を表示
- 1. heart 2. farther 3. guard 4. heard 解答を表示
ルール4:ow/ou の原則は「アウ」。例外に注意
ow/ou というスペルはいかにも「オウ」と読みそうに見えます。しかし、発音の原則は実は [au](アウ)であることに注意してください。悩んだら now や house などの簡単な単語を思い出しましょう。もちろん now は「ノウ」ではなくて「ナウ」、house は「ホウス」ではなく「ハウス」ですね。このように、原則通り [au](アウ)と読む頻出語には以下のようなものがあります。
- allow [əláu] (許す)
- crowd [kláud](群衆)
- drown [dráun](溺れる)
- brow [bráu](眉)
- owl [ául](ふくろう)
- tower [táuər](塔)
- count [káunt](数える)
- couch [káutʃ](長椅子)
- foul [fául](汚い)
- pound [páund](ポンド)
- arouse [aráuz](起こす)
- drought [dráut](干ばつ)
とは言え、ow/ou のスペルでも、見た目通り [ou](オウ)と読むものや、その他の例外的な発音をするものは少なくありません。例外が多いので厄介ではあるのですが、それでも、あくまで ow/ou は [au] が原則だということを踏まえた上で、それ以外の読み方を覚えるのが効率がよいです。
- blow [blóu](吹く)
- grow [glóu](成長する)
- flow [flóu](流れる)
- row [róu](列)
- throw [θlóu] (投げる)
- bestow [bistóu](授ける)
- shoulder [ʃóuldər](肩)
- soul [sóul](魂)
- though [ðóu] (~だが)
- country [kʌ́ntri](国)
- tough [tʌ́f](丈夫な)
- enough [inʌ́f](十分な)
- cousin [kʌ́zn](いとこ)
- couple [kʌ́pl](夫婦)
- southern [sʌ́ðərn](南の)
- knowledge [nɑ́lidʒ/nɔ́lidʒ](知識)
問. 下線部の発音が他と異なるものを1つ選べ
- 1. allow 2. aloud 3. foul 4. southern 5. drown 解答を表示
- 1. brow 2. soul 3. shoulder 4. flow 5. though 解答を表示
ルール5:aw/au の原則は「オー」。例外に注意
一方、aw/au というスペルは、いかにも「アウ」と読みそうに見えます。しかしこちらの読み方の原則は [ɔ:](オー)です。悩んだら、saw の発音が「ソー」であることを思い出してください。
- law [sɔ́ː](法律)
- raw [rɔ́ː](生の)
- awful [ɔ́ːfl](恐ろしい)
- awesome [ɔ́ːsəm](凄い)
- yawn [jɔ́ːn](あくびする)
- lawn [lɔ́ːn](芝生)
- cause [kɔ́ːz](原因)
- audience [ɔ́ːdiəns](聴衆)
- laundry [lɔ́ːndri](洗濯)
- launch [lɔ́ːntʃ](始める)
- pause [pɔ́ːz](中断)
- autumn [ɔ́ːtəm](秋)
このルールにも例外がありますが、3つだけですので覚えるのはそんなに難しくないでしょう。
- laugh [lǽf/lɑ́ːf](笑う)
- aunt [ǽnt/ɑ́ːnt](おば)
- gauge [géidʒ](測定機器、ゲージ)
問. 下線部の発音が他と異なるものを1つ選べ
ルール6:oa は「オウ」
基本単語の rain は [réin](レイン)、lie は [lái](ライ)、sea は [síː](スィー)などの発音も、実はあるルールに基づいています、それは
「母音の連続は『アルファベット読み』+『無視』」
というルールです。
例えば、rain の場合、a と i という2つの母音が連続しています。このうち、1つ目の a をアルファベット読みである [ei](エイ)と発音し、2つ目の i を無視した結果、[réin](レイン)と読んでいるのです。
このルールに基づくと、boat をどう読むでしょうか?o と a という2つの母音が連続していますので、1つ目の o をアルファベット読みである [ou](オウ)と発音し、2つ目の a を無視し、[bóut](ボウト)と読みます。カタカナ英語の「ボート」ではないことに注意してください。
ただし、この「母音の連続は『アルファベット読み』+『無視』」はそれなりに有効なルールではあるのですが、全体的にみると例外が多いのと、見ればなんとなく読めるものが多いので、あえてテーマ化していません。その中で、oa については特に出題率が高い上に正答率が低く、また例外も少ないので、こちらを代表としてテーマ化することにしました。余裕がある人は「母音の連続は『アルファベット読み』+『無視』」が原則であるということは覚えておいてください。
- coat [kóut](コート)
- loan [lóun](ローン)
- road [róud](道路)
- coal [kóul](石炭)
- coast [kóust](海岸)
- soap [sóup](石鹸)
このルールの例外は3つのみでいずれも頻出です。「broad 3兄弟は例外」と覚えておきましょう。
- broad [brɔ́ːd](広い)
- abroad [əbrɔ́ːd](外国へ)
- broadcast [brɔ́ːdkæ̀st](放送する)
問. 下線部の発音が他と異なるものを1つ選べ
ルール7:al は「オー」
最初にご紹介したルールで、a の読み方は基本的に「ローマ字読み」の [æ](ア)か、「アルファベット読み」の [ei] のどちらかということを述べました。しかし -al- というスペルの連続があったら、基本的にその a は [ɔ:](オー)と発音します。迷ったら all を「オール」と読むことを思い出してください。このルールにもまた例外がありますが、「オー」と「オウ」の区別はとにかく頻出ですので、覚えておく価値があります。
- all [ɔ́ːl](全て)
- always [ɔ́ːlweiz](いつも)
- small [smɔ́ːl](小さい)
- false [fɔ́ːls](誤った)
- alter [ɔ́ːltər](変える)
- chalk [tʃɔ́ːk](チョーク)
- walk [wɔ́ːk](歩く)
- salt [sɔ́ːlt](塩)
- bald [bɔ́ːld](はげ頭の)
- calm [kɑ́ːm](落ち着いた)
- palm [pɑ́ːm](手のひら)
- almond [ɑ́ːmənd](アーモンド)
- salmon [sǽmən](サケ)※alm の例外
- canal [kənǽl](運河)
- half [hǽf/hɑ́ːf](半分)
- wallet [wɔ́lət/wɑ́lət](財布)※次項の「w- がつくといろいろ変わる」が適用される
問. 下線部の発音が他と異なるものを1つ選べ
ルール8:w- がつくといろいろ変わる
w というスペルには不思議な性質があります。前項で述べたように、a のスペルのローマ字読みは原則 [æ] ですが、a の前に w がついて wa- となると、[ɑ/ɔ](ア/オ)と発音します([ɑ]は米音、[ɔ]は英音)。身近な単語では watch [wɑ́tʃ/wɔ́tʃ] を思い出してください。ちなみにこれは o のスペルのローマ字読みの原則、例えば hot [hɑ́t/hɔ́t] の o と同じ発音です。
このルールはなかなか影響力が強く、前項で al の a は [ɔ:] と読むと紹介しましたが、その前に w がついた wal のスペルでは wa の読み方の原則 [ɑ/ɔ] が優先されます。
- wander [wɑ́ndər/wonder](歩き回る)
※wonder [wʌ́ndər] との区別に注意! - watch [wɑ́tʃ/wɔ́tʃ](見る)
- wash [wɑ́ʃ/wɔ́ʃ](洗う)
- wallet [wɑ́lət/wɔ́lət](財布)
- swallow [swɑ́lou/swɔ́lou](飲み込む、ツバメ)
- quality [kwɑ́ləti/kwɔ́ləti](質)
※qu- は [kw] と発音するので u は実質 w
このように、w が他の発音の原則に影響を与えるもう一つの例は or です。
まず、 or のスペルは原則 [ɔ:](オー)と読むことを確認してください。この読み方自体は難しくないと思います。
- sport [spɔ́ːrt](スポーツ)
- formal [fɔ́ːrməl](正式な)
- north [nɔ́ːrθ](北)
ところが、この or の前に w がついて wor となると、その or の発音は [əː](口の小さい「アー」)に変わります。迷ったら world を「ワールド」と読むことを思い出してください。
- worm [wə́ːrm](虫)
- word [wə́ːrd](単語)
- work [wə́ːrk](働く)
- world [wə́ːrld](世界)
- worse [wə́ːrs](より悪い)
- worth [wə́ːrθ](価値)
もう一つは ar のスペルです。ar の発音の原則が [ɑː](口の大きい「アー」) であることは前述していますが、おさらいの意味でいくつか挙げておきます。
- arm [ɑ́ːrm](腕)
- card [kɑ́ːd](カード)
- guitar [gitɑ́ːr](ギター)
ところが、この ar の前に w がついて war となると、その ar の発音は [ɔ:](「オー」)に変わります。迷ったら war(戦争)を「ウォー」と読むことを思い出してください。
- war [wɔ́ːr](戦争)
- warm [wɔ́ːrm](暖かい)
- warn [wɔ́ːrn](警告する)
- award [awɔ́ːrd](賞)
- reward [riwɔ́ːrd](報酬)
- toward [twɔ́ːrd](~の方に)
ちなみに award について、年末になるとよくテレビなどで「20xx年ベスト〇〇アワード」などという言葉を耳にしますが、このカタカナ英語は誤りで、正しくは「アウォード」と言うべきです。皆さんは正しい発音で読んでくださいね。
とは言え、これらの区別が紛らわしいことは間違いありません。以下の表をよく眺めて、スペルと発音の関係をしっかり頭に入れてください。
ar [ɑː] (口大きいアー) | or [ɔː] (オー) |
war [ɔː] (オー) | wor [əː] (口小さいアー) |
worm [wəːm](虫) warm [wɔ:m](暖かい) | word [wəːd](単語) ward [wɔ:d](区) | worship [wə́ːrʃìp](崇拝) warship [wɔ́ːrʃìp](軍艦) |
最後に、この「w- がつくと…」の法則にも、以下の例外があります。
- worn [wɔ́ːn](wear の過去分詞)
※warn「警告する」と同音 - sword [sɔ́ːd](刀)
※w が黙字なので、実質 sord と考えれば、or の原則通り
問. 下線部の発音が他と異なるものを1つ選べ
- 1. dollars 2. wander 3. math 4. modern 解答を表示
- 1. farm 2. harmful 3. march 4. warning 解答を表示
- 1. corpse 2. northern 3. sword 4. worm 解答を表示
- 1. ward 2. bald 3. calm 4. cause 解答を表示
ルール9:om, on, ov の o は [ʌ]
スペル o の発音は非常に厄介です。最初の大原則で説明した通り o は「ローマ字読み」の [ɑ/ɔ](ア/オ)と「アルファベット読み」の [ou](オウ)のどちらかが基本ですが、その他にも [ʌ](ア)、 [uː](ウー)、[u](ウ)、[i](イ)などさまざまな発音があります。
- [ɑ/ɔ](ア/オ):hot [hɑ́t/hɔ́t], follow [fɑ́lou/fɔ́lou] など ←大原則
- [ou](オウ):only [óunli], both [bóuθ], home [hóum] など ←大原則
- [ʌ](ア):come [kʌ́m], done [dʌ́n], above [əbʌ́v] など
- [u:](ウー):move [múːv]、improve [imprúːv] など
- [u](ウ):woman [wúmən]、wolf [wúlf]
- [i](イ):women [wímin]
結局は覚えるしかないと言ってしまえばそれまでですが、そんな中でも [ʌ](ア)と発音するものについては比較的数が多く、また一応ルールらしきものがあるのでご紹介します。そのルールとは、
「on, om, ov というスペルの連続があったら、その o は [ʌ](ア)と読む」
ということです。ちなみに [ʌ] は bus など u のスペルで一般的な発音です。
覚えにくいルールと思うかもしれませんが、実は皆さん、このルールは son(息子)、come(来る)、love(愛)などの基本単語で自然に実践しているのです。これらの発音は、それぞれ「サン(ソン)」、「カム(コム)」「ラヴ(ロヴ)」ですね。悩んだらこれらを思い出してください。
- among [əmʌ́ŋ](~の間)
- done [dʌ́n](do の過分)
- none [nʌ́n](誰も~ない)
- front [frʌ́nt](正面)
- honey [hʌ́ni](はちみつ)
- money [mʌ́ni](お金)
- monkey [mʌ́nki](サル)
- onion [ʌ́njən](玉ねぎ)
- son [sʌ́n](息子)
- tongue [tʌ́ŋ](舌)
- wonder [wʌ́ndər](~かしら)
- London [lʌ́ndən](ロンドン)
- come [kʌ́m](来る)
- some [sʌ́m](いくつかの)
- company [kʌ́mpəni]
- comfortable [kʌ́mftəbl]
- stomach [stʌ́mək](胃)
- above [əbʌ́v](~の上)
- love [lʌ́v](愛)
- dove [dʌ́v](ハト)
- glove [glʌ́v](グローブ)
- oven [ʌ́vn](オーブン)
- discover [disktʌ́vər]
- government [gʌ́vəmənt]
- shovel [ʃʌ́vl](シャベル)
また、これらのスペル以外でも o を [ʌ] と読むものがあります。
- other [ʌ́ðər](他の)
- otherwise [ʌ́ðərwàiz]
- brother [brʌ́ðər](兄)
- color [kʌ́lər](色)
- dozen [dʌ́zn](12)
特に赤字で記したものに注意してください。これらはいずれもカタカナ英語と実際の発音が異なるものです。カタカナで正しい発音を表すと、「フロント」ではなく「フラント」、「ロンドン」ではなく「ランドン」、「オニオン」ではなく「アニャン」、「グローブ」ではなく「グラヴ」、「オーヴン」ではなく「アヴン」です。「シャベル」についても、「ショベル」ではないことを確認しておいてください。
ただし、このルールにも例外があります。以下の単語は om, on, ov の o を、大原則通り [ɑ/ɔ](ア/オ)と読みます。
- fond [fɑ́nd/fɔ́nd](好んでいる)
- honest [ɑ́nəst/ɔ́nəst](正直な)
- honor [ɑ́nər/ɔ́nər](名誉)
- bomb [bɑ́m/bɔ́m](爆弾)
- novel [nɑ́vəl/nɔ́vəl](小説)
- 1. love 2. bud 3. pot 4. hug 解答を表示
- 1. glove 2. onion 3. oven 4. prove 解答を表示
- 1. among 2. fond 3. monkey 4. wonder 解答を表示
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