名著ですが解説が少ないという評判の「基礎英語長文問題精講」の解説を補足しています。本書の解説と別冊の解答・解説をよく読んだ上で、疑問点がある方は是非参考にしてください。
本文
1行目:同格(代名詞)の all
The telephone, television, radio and the telegpraph all help people communicate with each other.
【和訳】電話、テレビ、ラジオ、電報は全て、人々がお互いに伝達し合うのを助ける。
all には以下の二つの用法があり、区別が難しい場合があります。
- 代名詞 ⇒ 名詞と同格「~全て」
- 副詞 ⇒ 「すっかり、完全に」
実はなかなか奥の深い話なので、ここではあっさりめの説明にとどめますが、ここでは文脈から主語と同格と判断できます。一概には言えませんが、all が複数を表す主語の直後にある場合は、同格の可能性が高いと言えるでしょう。
33行目:the people
a normal part of one culture might be bad or impolite to the other people
【和訳】ある文化の正常な部分が、もう一方の国民にとっては正しくなかったり無礼であったりするかもしれない。
本書の解説にもある通り、ここでの the people は、group や culture の言い換え表現であることを踏まえ、「国民」と訳すのが適切です。ただし、the people をいつでも「国民」と訳すわけではないので注意してください。
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設問
問2 空所(a) = for:本文15行目
「(…が)~するのに○○かかる」という take の構文は
- it took news six weeks (from Europe) to reach the Americas.
- = it took six weeks for news (from Europe) to reach the Americas.
のように、1 = 第四文型、または 2 = 第三文型 で書き換えることができます。第三文型のときの for… は不定詞の意味上の主語です。
ちなみに、この構文は、it と不定詞について
- it = 形式主語 , 不定詞 = 名詞的用法
- it = 非人称(状況), 不定詞 = 副詞的用法
という二つの解釈がありますが、受験生は深く考える必要はありません。一つの構文として覚えてください。
問2 空所(b) = during:本文21行目
during の後ろに来る名詞は、多くの場合the, this, that, 所有格 などで限定されます。
- during the vacation
- during this period
- during that time
- during my stay in London
前置詞を選ぶときの参考にしてください。
問2 空所(e) = what:本文31行目
[What one group considers a normal part of life] is strange to another culture.
【和訳】ある集団が生活の正常な部分と考えること(もの)が、他の文化にとっては異常である。
that を選んでしまった人はいませんか?
まず、[ ~ ] is strange to another culture. という形から、主語=名詞節を導くものを選ぶということを見抜きます。
次に動詞に注目します。considerは、consider O C(O を C とみなす)という形で第五文型をとりますが、空所の後の文を見ると「ある集団が(Oを)生活の正常な部分とみなす」となっており、O(名詞)が欠けた形になっています。名詞が欠けている文(不完全文)に補うべきものは、関係代名詞ですね。
接続詞 that(~ということ)も名詞節を導きますが、その後ろに続くのは完全文です。間違えないよう、しっかり区別してください。
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