名著ですが解説が少ないという評判の「基礎英語長文問題精講」の解説を補足しています。本書の解説と別冊の解答・解説をよく読んだ上で、疑問点がある方は是非参考にしてください。
本文
4行目:most of all
Unfortunately, the father is apt to come home (wanting (most of all) to slump down and read the paper).
【和訳】不幸なことに、父親はどっかりと腰を下ろして新聞を読むことを何よりも楽しみにして家に帰ってくる。
文構造に注意。most of all は「何よりも、とりわけ」という意味の副詞句で、wanting to(~することを欲して)の間に挿入されています。ちなみに wanting to は、分詞構文と解釈することもできますが、完全文+C の準補語と考えてもよいでしょう。
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8行目:crossly
・・・ spend all day at the zoo, crossly.
【和訳】不機嫌に動物園で一日を過ごす
crossly は「不機嫌に」という意味の副詞ですが、なぜこのような意味になるのか分かりにくいかもしれません。
cross には「交差した」という意味の形容詞がありますが、これは言い換えて「平行ではない」と考えましょう。2つの物事が同じ方向を向いて平行に進んでいたら、これは平和な状態です。それが直角に交わってしまった(=ぶつかってしまった)としたら、それは不和な状態ということになります。この文脈では「自分が本当にしたいこと」と「動物園にいること」という二つの感情がぶつかってしまっているので、「機嫌が悪い」ということを意味します。
10行目:their = 動名詞の意味上の主語
・・・ it gets in the way of their having a good time together.
【和訳】そのことが、二人が(=父親と息子が)一緒に楽しく過ごすことを妨げる
their は動名詞 having の意味上の主語。their と having の間にSV関係があることを意識すること。
17行目:around
A boy comes around to be interested in sports in good time ~.
【和訳】男の子はそのうちちょうどいいときにスポーツに興味を持つようになる
come to do(~するようになる)の間に、副詞の around が挿入された形。ここでは「あちこちを回って最後には結局」のような意味で、同じ文の中にある in good time(ちょうどいいときに、やがて)と相関するようなニュアンスで使われています。
また、See you around.(じゃ、またね)の around も同じような用法と考えられます。
24行目:同格のカンマ
25行目:after
The thing <that makes him feel and act a man> is being able to copy, to pattern himself after, men and older boys <with whom he feels friendly>.
【和訳(直訳)】男の子を、男らしく感じ、振舞わせるものとは、その子が親しみを感じる大人の男や年上の男の子を真似できること、つまり、彼らを手本として自分を作ることができるということだ。
本書の全文訳では、カンマを並列のように訳していますが、ここでは内容的に、copy をより具体的な to pattern himself after という表現に言い換えた、同格(言い換え)のカンマと考えるべきでしょう。
after は「~を真似て、~にならって、~にちなんで」の意味。be named after ~(~にちなんで名付けられる)もこの用法です。
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