名著ですが解説が少ないという評判の「基礎英語長文問題精講」の解説を補足しています。本書の解説と別冊の解答・解説をよく読んだ上で、疑問点がある方は是非参考にしてください。
本文
10行目:rest
問4:下線部の状態を表す名詞
The people I have known who seem to rest most easily within themselves are ~.
【和訳】私が今までに知った人の中で、自らの中に最も安らかな充足を感じているように見えるのは、~である。
問4の解答:satisfaction
この rest はなかなか難しいです。下線部の同義語として satisfaction を選ぶのも簡単ではありません。
ここでの rest は「休む」とか「休息する」と考えては文脈的によく分かりません。英和辞典に載っている意味の中から選ぶとしたら、「くつろぐ」「安心する」「落ち着く」くらいの意味になるでしょうか。この文章のテーマは「仕事」なので、「仕事の中に心地よさを感じる」と考えれば分からなくはないでしょう。
しかし、まだしっくり来ない方もいるかもしれません。ここからはあくまで参考ですが、Oxford Learner’s Dictionary の rest の定義には、最初に relax があり、その中に以下の例文があります。
(figurative) He won’t rest (= will never be satisfied) until he finds her.
figurative とは「比喩的」ということ。つまり、rest を比喩的に satisfied(満足感を持った)という意味で使うことがあるようです。
rest に限らず、単語の意味は、英語と日本語で一対一には結び付きません。単語の理解は、常に微調整していくよう心がけましょう。
13行目:lofty
whatever field it may be, lofty or humble
【和訳】それがどんな分野のものでも、高尚なものであれ卑しいものでもあれ
「ロフト」は日本語にもなっていますが、loft とは「屋根裏部屋」のこと。実はその語源は lift(上げる)で、そもそも loft とは「高いところにある場所」ということなのです。
その loft が形容詞になったのが lofty。「高貴な、高尚な」というような意味です。
17行目:the ones
And those who seemed most unhappy, whatever their degree of external success, were the ones to whom the job was a means, not ~.
【和訳】そして、外面的な成功の度合がどうであれ、最も不幸であるように見えるのは、その人にとって仕事が~ではなく、手段である人である。
the ones が指しているのは「人々」。前の段落が
The people I have known who seem ~ are those who have found …
【和訳】私の知っている~に見える人は、…を見つけた人である
という内容で、「幸せに見える人」と「不幸せに見える人」を対比しており、形の上でも似た表現を使っています。
設問
問7:「目的」という意味の英単語
purpose を入れたくなるところですが、冠詞が an なので、正解は end 。
「目的」という意味を表す単語の言い換え問題は入試でしばしば見かけます。以下の単語は同義語としてよく覚えておきましょう。
- purpose
- end
- aim
- goal
- objective
問8:関係代名詞主格の省略
The only thing there is ahead of them is the ( a ) after they have retired, but they will find that dull ( b ) well.
thing と there の間に関係代名詞の主格 which[that] が省略されていることに注意。一般的に関係代名詞の主格は省略できませんが、関係詞節が there[here] is ~ 構文の場合、関係代名詞は省略することができます。
関係代名詞と、( a ) と ( b ) の正解を補った全文は以下の通りです。
The only thing<(which) there is ahead of them> is the life <after they have retired>, but they will find that dull as well.
【和訳】彼らの前に待っている唯一のものは、退職後の生活であるが、彼らはそれもまた退屈と感じるだろう。
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