名著ですが解説が少ないという評判の「基礎英語長文問題精講」の解説を補足しています。本書の解説と別冊の解答・解説をよく読んだ上で、疑問点がある方は是非参考にしてください。
本文
4行目:took life one day at a time
She took life one day at a time, made the best of every day, and never let things get the better of her.
【和訳】母は人生を一日一日大切に送り、毎日を精一杯活用し、どんなことに打ち負かされたりしなかった。
文構造としては
She took life one day at a time , ~
【直訳】彼女は、人生を「一度につき一日」と捉えている
という第五文型。
「一度につき一日」という表現は分かりにくいですが、「一日一日着実に」というような意味です。類似表現に、
take it one day at a time
take things one day at a time
take one day at a time
live one day at a time
などがあります。
6行目:coming home tired, 19行目:I grew up poor 「完全文+C」
I remember her coming (home) tired from her job at the restaurant ・・・
【和訳】私は、彼女(母)がレストランでの仕事から疲れて帰ってきたのを覚えている。
I grew up poor (in material things) but rich (in love).
【和訳】私は物質的には貧しく、しかし、愛情には恵まれて育った。
come も grow up も本来、補語を必要としない動詞(完全自動詞)で、普通は第一文型をとります。
しかし、このような動詞が、補語をとり、主語や目的語の状態を説明することがあります。このような場合、以下のように、二つの文がまとめて表現されていると考えましょう
She came (home) tired. ⇒
- She came (home).
- She was tired.
I grew up poor. ⇒
- I grew up.
- I was poor.
他にも、以下のような例があります。
He died young.(彼は若くして死んだ)
I like my coffee strong.(私はコーヒーは濃いのが好きだ)
このような補語を、文法的には「補語相当語句」「準補語」「疑似補語」などと呼びます。あくまでも臨時の補語であり、これらを純粋な第二文型や第五文型と考えるべきではありません。ある意味、五文型の限界と言ってもよいでしょう。
とは言え、このような例は結構多く見られます。文を読んでいて、文法的に浮いている形容詞や分詞(副詞のように見える)があって、それでも、意味的にはしっくりくる場合、このような補語である可能性が高いです。
17~18行目:between A or B
between having wealth and no live at home or having live at home and no wealth
【和訳】財産はあっても家庭の愛情が欠けていることと、家庭の愛情はあっても財産がないことの間で
本来は、
between having wealth and no live at home and having live at home and no wealth
というべきで、between A or B は誤用です。ただし、このような誤用をする人がいるということは覚えておくとよいでしょう。余計なことで考え込まずに済みます。
他にも
誤:between A to B
などと言う人もいます。
26行目:代動詞 do
I’ve always envied people who do.
【和訳】私はいつもそれ(大らかさ)を備えている人々を羨ましく思ってきた。
ここでの do は 直前の have it を指しています。it が指しているのは、その前の文の openness(大らかさ)。
27行目:副詞の around
Since my father was never (around) (long (enough (to teach me physical things or to play games with me))), ・・・.
【和訳】私の父は、私に運動競技を教えたり、私とゲームをして遊んだりするのに十分な時間、私のそばにいてくれなかったので、・・・
ここでの around は副詞で、「そのへんに」「(自分の)近くに」というような意味。
構文把握力や精読力をつけたい方にはこちらがオススメです。
最高レベルの英語力を身につけたい方はこちらもチャレンジしてみてください。