名著ですが解説が少ないという評判の「基礎英語長文問題精講」の解説を補足しています。本書の解説と別冊の解答・解説をよく読んだ上で、疑問点がある方は是非参考にしてください。
本文
11行目:so (that) S can/may/will V
She opened it so Rocky could clearly see her marks.
【和訳】彼女は自分の成績をロッキー(※犬)がはっきり見ることができるように、それ[通信簿]を開いた。
本書にも解説がありますが、補足しておきます。
so (that) S (can/may/will) V
という有名な構文です。尚、that はしばしば省略されます。また助動詞も省略される場合があるので注意してください。
この構文には以下の二つの解釈があります。
- S が V できるように[するために]【目的】
- ・・・、その結果[だから]、S V【結果】
目的か結果のどちらか?ということは、文脈で読み取る必要があります。ただし、どちらとも取れる場合も少なくないので、流し読みをすればよいときは、あまり目くじらを立てる必要はないでしょう。
しかし、今回は、下線部和訳なので、ちょっと頑張って考えてみます。
仮に「結果」ととってみると、
She opened it so Rocky could clearly see her marks.
△ 彼女はそれ[通信簿]を開いたので、自分の成績をロッキーがはっきり見ることができた。
という訳になりますが、「She opened it」という表現だけでは、それ[通信簿]をどのように開いたのかよく分かりません。「その結果」、ロッキー(※犬)が、通信簿の中身を「はっきり見ることができた」では、因果関係が今一つつながりません。
今回の本文の例では、やはり文脈的に「目的」ととるのが妥当でしょう。
〇 彼女は自分の成績をロッキーがはっきり見ることができるように、それ[通信簿]を開いた。
つまり、ロッキーが見やすいように、「しっかりと(180度に)開いた」または「犬のすぐ近くに持ってきて開いた」などということだと考えられます。
また、これは絶対的な法則ではありませんが、「結果」の場合は、
- so の前にカンマが置かれることが多い
- 助動詞がない場合が多い
ということが言えます。つまり、別の例文で言うと
I opened the door so that the cat could come in.
(私はその猫が入って来れるように、ドアを開けた【目的】)
I opened the door, so that the cat came in.
(私はドアを開けた。そうしたら、その猫は入ってきた【結果】)
となる傾向があるということです。ただし、繰り返しになりますが、これは絶対的な法則ではなく、どちらの文でも「目的」も「結果」も表すことがあります。あくまでも文脈をしっかり考えてください。
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