名著ですが解説が少ないという評判の「基礎英語長文問題精講」の解説を補足しています。本書の解説と別冊の解答・解説をよく読んだ上で、疑問点がある方は是非参考にしてください。
本文
10行目
if we see an actor fall down
【和訳】役者が転ぶのを見ると
fall には
- 落ちる
- 倒れる、転ぶ
の2つの意味があることに注意すること。特に fall down となったら、基本的に 2 の「倒れる、転ぶ」の意味になります。(1 の意味で使うのは、fall down a cliff や fall down a hole のように、down を前置詞として使う場合がほとんどです)
13行目
Of course, it is a very primitive form of humour. But it is better to laugh than weep, ~
【和訳】もちろん、それはごく原始的な形のユーモアである。しかし、泣くよりは笑う方が良く、~
Of course ~. But … (もちろん~。しかし…)の譲歩構文。
Of course の部分は他に、It is true / Indeed / Certainly / S may V など、
But の部分は however / nevertheless などが使われることがあります。
これらの表現には常にアンテナを張っておき、見かけたら、筆者の主張は But 以下にあるということに留意すること。文脈を把握するのが非常に楽になりますし、正誤問題などの設問で問われることも多い、重要ディスコースマーカーです。
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26行目
when we feel gay and mischievous and witty ~
【和訳】我々は陽気でふざけたり、洒落の一つもとばしたりしてみようという気持ちでいるとき
gay は「同性愛者(の)」という意味がよく知られていますが、「陽気な」の意味もあることに注意。
むしろ本来の意味が「陽気な」で、「陽気な」⇒「奔放な生活をする」⇒「奔放な性生活をする」ということから、「同性愛者(の)」という意味が生まれました。
ちなみに「同性愛者(の)」という意味の gay は男女ともに用いることができます。
設問
問6
We are attracted to people who have a sense of humour, who can laugh at the same thing <as we laugh at>.
【和訳(直訳)】我々はユーモアの感覚を持つ人に魅力を感じる。そのような人というのは、我々が笑うのと同じことを笑うことができる人だ。
下線部の we laugh at の前に何を補うか?という問題。正解は as ですが、なぜ that ではないのか?ということについては、本書の解説を参照してください。ここでは、whatever や whichever を選んでしまった人のために解説を補足しておきます。
whatever や whichever など -ever という形の複合関係詞は、名詞節または副詞節を導きます。
まず、仮に名詞節として考えた場合(例:whatever「彼が笑うものは何でも」)、
× … who can laugh at the same thing [whatever we laugh at].
SVO が完結している文の後ろに、さらに名詞のカタマリを置くことになり、これが浮いてしまいます。よって、この解釈は成り立ちません。
ただし、仮に副詞節と考えた場合(例:whatever「彼が何を笑おうとも」)、これはなかなか惜しいです。
△ … who can laugh at the same thing (whatever we laugh at) .
SVO の後に副詞節を置くのは問題なく、また whatever 自体は関係代名詞なので、節の中が、名詞が欠けた不完全な形になっている点も問題もありません。つまり文法的には成り立ちます。
しかし、このように解釈すると、the same thing(同じもの)が、それ以前に出てきた何かを指すことになりますが、それに相当するものはありません。これが、whatever が不正解である決定的な理由です。
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