名著ですが解説が少ないという評判の「基礎英語長文問題精講」の解説を補足しています。本書の解説と別冊の解答・解説をよく読んだ上で、疑問点がある方は是非参考にしてください。
本文
25~26行目(設問H 空所(ヘ))
(If he spends most of his time playing about (in the way <that he used to> (as a child))), he will go hungry.
【和訳】もし彼が、子供の頃よくそうしたように、大部分の時間を遊び回って過ごしたならば、食べるものに事欠くようになるだろう。
- ポイント1:playing about
ここでの about は「周りを、あちこちを」という意味の副詞(=around)。
例:walk about(歩き回る)、search about(探し回る) - ポイント2:he used to
この to は、文法用語で「代不定詞」と呼ばれるもので、ここでは「he used to play about」の繰り返しを避けています。おそらく空所(ヘ)には be を入れてしまった人が多いのではないかと思われますが、助動詞の used to(かつては~した(だった)) は、過去と現在の対比を表すことに注意しましょう。
例:He used to be an actor.(彼は以前は俳優だった(が今は俳優ではない))
つまり、He used to be a child. としてしまうと、「彼はかつて子供だった(が今は子供ではない)」という意味になり、「かつて子供だったように遊び回る」では意味をなしません - ポイント3:as a child
「as a child」の as は接続詞(~するとき)で、接続詞の後の S+be の省略という重要文法事項(この場合 as he was a child の he was の省略)。「as a child(子供の頃)」はよく出てくる表現なので、一種の慣用表現として覚えてもよいかもしれません。ちなみに、この as を前置詞とする考え方もありますが、筆者は、基本的に前置詞の as は「~として」の意味だけと考えることをお勧めしています
35~36行目
(With old age) should come [wisdom] and [the ability <to help others (with adice <wisely given>)>].
【直訳】「年とともに、知恵と、賢明に与えられた助言で他人を助ける能力がやってくるはずだ」
【意訳】「年をとると、知恵が身につき、賢明な助言によって人に役立つことができるようになる」
- ポイント1:MVSの倒置構文
主語が長いときや、主語が新情報であるときに用いる倒置です。
例:(Once upon a time) lived an old man.
= An old man lived (once upon a time).
(昔々、ある老人が住んでいました) - ポイント2:wisely given は直前の advice を修飾する形容詞句
42行目
leaving others to continue the fight
【直訳】「他人に闘いを続けさせながら」
【意訳】「闘いを続けることはほかの人にまかせ」
- ポイント1:leaving は 付帯状況を表す分詞構文「~しながら」
- ポイント2:leave O to do で「Oに~させておく(専念できるようにしておく)」の意味。
leave の第五文型は、「leave O 形容詞」「leave O doing」「leave O done」(Oをある状態のままにしておく)が有名ですが、このように「leave O to do」もあることに注意しましょう。
設問
問G
以下のいずれも正解
- It is not necessary that old should be unhappy.
- It is not necessary that old be unhappy.
- It is not necessary that old is unhappy.
「感情や判断を表すthat節の中でshouldや仮定法現在を使う」という文法事項に関する問題。確かにこの文脈での「It is not necessary」は筆者の判断を表しているように読めますが、解答・解説の「・・・直接法の現在や過去を用いてはいけない」と言うのは言い過ぎ。判断や感情を含まない単なる事実を述べる場合は、直接法の「that old is unhappy」も使うことができます。あまり良い問題ではないですね。
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