marry の意味、使い方、用法、受け身ではどうなる?

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marry は、語法が非常に紛らわしく、さまざまな形で出題される要注意動詞です。今回は、marry の使い方や押さえるべきポイントについて詳しく説明します。

 

例題

次の英文の(  )に入れるのに最も適当なものを、1~4のうちから一つ選べ

例題1
A: What did he say?
B: He asked me (  ) him, and I accepted.
① marrying ② marrying with ③ to marry ④ to marry to

例題2
A: Did you meet Joseph today as planned?
B: Yeah, and he gave me some surprising news: he’s (  ) Linda next spring.
① getting married to ② getting married with
③ marrying to    ④ marrying with

例題3
I (  ) you for six years and I still don’t know what goes on inside your head.
① have been married to ② have got married to
③ have married     ④ have married to

例題4
We (  ) for four years in April this year.
① have married    ② will be married
③ will have married  ④ will have been married

解説

marry は他動詞!

まず、「トムはメアリーと結婚した」という日本語を、英語で一番シンプルに表現するとどうなるかを考えてみてください。

Tom married with Mary.
Tom married to Mary.

などと考えた人はいませんか?正しくは、

Tom married Mary.

です。

まずポイントになるのは、marry は他動詞で、その直後に置くべきものは目的語[=名詞]だということです。他動詞の直後に前置詞を置いてはいけませんね。

とは言え、marry to ~ や marry with ~ とやってしまう気持ちも分からなくはありません。というのも、日本語では多くの場合目的語を「~を」と訳しますが、marry の場合は目的語を「~」と訳すからです。このように、目的語を「~を」と訳さない他動詞は、自動詞と間違えやすいので十分注意が必要です。このような例は marry の他にも以下のようなものがあります。

  • enter into ~(~入る)
  • discuss about ~(~について話す)
  • reach to ~(~着く)
  • resemble with ~(~似ている)
  • attend to ~(~出席する)

その動詞が自動詞か他動詞かということは、面倒ですが、一つ一つ覚えるしかありません。

marry の受動態 ― 前置詞が to になる理由

ということで、marry他動詞であり、目的語をとることが分かりました。さて、目的語がある文は、理論的には受動態にすることができますね。そこで、まずは細かいことを抜きにして、この文を受動態にしてみましょう。

Tom married Mary.

Mary was married (  ) Tom.

となるところまでは分かるでしょう。問題は (  )に入る前置詞です。受動態というと、前置詞 by を入れたくなるかもしれませんが、be surprised at のように、by 以外の前置詞が使われることは多々あります。ではここでは by 以外でどんな前置詞を入れたらよいでしょうか?

正解は to です。出来上がるのは

Mary was married to Tom.

という文になります。ではなぜ前置詞が to になるのかを考えてみましょう。

実は marry には「~に嫁がせる」「~と結婚させる」という意味があるのです。例えば

Mary’s father married Mary to Tom.
(メアリーの父は、メアリーをトムに嫁がせた)

のような文です。これを受動態にすると

Mary was married to Tom (by Mary’s father).
(メアリーは、(父によって)トムに嫁がされた)

となりますね。状況を想像してみてください。メアリーは自分のお父さんに「メアリーよ、トムさんのところにお嫁に行ってきなさい」と言われたわけです。「トムのところに」という方向性がありますね。だから前置詞は to になるのです。

この前置詞を with にしてしまう間違いが多いので十分気を付けてください。これは、人々が自由に結婚できる[=一緒になる]現代の発想です。しかし、ここまで説明したように、昔は、人々(特に女性)は自分の意志では結婚できず、親の意志で結婚先を決められたのです。be married to ~ の to にはその名残が残っていると考えてください。

ただし、日本語訳する際は、この現代において、嫁がされて結婚する人は少ないですので、

Mary was married to Tom.
(メアリーはトムと結婚していた

と訳して構いません。というか、そう訳してください。また、別に女性を主語にしないといけないということはなく、

Tom was married to Mary.
トムはメアリーと結婚していた

という文もOKです。

be married と get married の違い

さて、また話が発展していきます。上の日本語訳が「結婚した」ではなく「結婚していた」であることに注意してください。be動詞は、原則として「~している」という「状態」を表します。

では、married という過去分詞を使って、「結婚した」という「動作変化)」を表したい場合はどうしたらよいでしょうか?

その場合、be の代わりに get を使います。get には第二文型で「~になる」という「変化」の意味がありますね。もしこのことがすぐにピンと来ない人は、以下の文を見比べてみると分かるでしょう。

He was angry.(彼は怒っていた)・・・状態
He got angry.(彼は怒っ)・・・・・動作変化

というわけで、「メアリーはトムと結婚した」という日本語は、

Mary got married to Tom.

という英文で表すことができます。

ところで、そもそも動詞原形の marry は「~と結婚する」という動作を表します。よって、結果的に、

Mary got married to Tom.

Mary married Tom.

はほぼ同じ意味を表すということも覚えておいてください。

主語が複数になった場合

さて、ここまでご紹介してきた例文は、能動の場合と受動の場合がありましたが、いずれにしても、Tom または Mary のいずれかが一方が主語で、その結婚相手を目的語、または前置詞の目的語にする、「トムメアリー~」または「メアリートム~」という形でした。

しかし、「結婚する(している)」という動作(状態)は、結婚する二人を両方とも主語にして「トムメアリー~」という、複数主語の形でも表すことができます。その場合、当然ながら結婚相手の to ~ は不要になり、以下のような文になります。

Tom and Mary were married.(トムとメアリーは結婚していた)
Tom and Mary got married.(トムとメアリーは結婚した)

これらの文を

Tom and Mary married.

と能動の形にしてしまう間違いが多いので気を付けてください。この文がおかしい理由はもう分かりますね。marry は他動詞ですので、目的語がないといけません。つまり、主語が複数の場合、目的語がない以上、受動態で表すしかないのです。

まとめ

さて、まとめると「トムはメアリーと結婚した(していた)」という内容の日本語は、以下のいずれかの英文で表すことができます。

  1. Tom married Mary.
    (トムはメアリーと結婚した)<能動&動作>
  2. Tom was married to Mary.
    (トムはメアリーと結婚していた)<受動&状態>
  3. Tom got married to Mary.[≒Tom married Mary.]
    (トムはメアリーと結婚した)<受動&動作>
  4. Tom and Mary were married.
    (トムとメアリーは結婚していた)<主語複数⇒受動&状態>
  5. Tom and Mary got married.
    (トムとメアリーは結婚した)<主語複数⇒受動&動作>

ポイントは「marry は他動詞!」「能動受動か?」「前置詞は絶対 to!」「状態動作か?」「主語単数複数か?」です。どのパターンが出題されても対応できるよう、それぞれの違いを踏まえて全てをしっかりと覚えてください。

例題解説

例題1:正解 ③
A: What did he say?
(彼は何て言ったの)
B: He asked me (to marry) him, and I accepted.
(彼、私に結婚してくださいと言って、私OKしたの)
① marrying ② marrying with ③ to marry ④ to marry to

ask O to do(Oに~するよう頼む)の形から、③と④に絞ります。to marry は能動の形ですので、前置詞は不要。よって、正解は③になります。

例題2:正解 ①
A: Did you meet Joseph today as planned?
(予定通り今日ジョセフに会った?)
B: Yeah, and he gave me some surprising news: he’s (getting married to) Linda next spring.
(ああ、それであいつ、びっくりすること言ったよ。来年の春リンダと結婚するんだって)
① getting married to ② getting married with
③ marrying to    ④ marrying with

marry は他動詞ですので、もし能動で使いたいなら前置詞は不要。よって③④は除外できます。①② の get married ~ に絞られますが、説明した通り前置詞は with ではなく to ですね。

例題3:正解①
I (have been married to) you for six years and I still don’t know what goes on inside your head.
(私はあなたと結婚して6年になるけど、あなたが何を考えているかいまだに分からないわ)
① have been married to ② have got married to
③ have married     ④ have married to

④ は能動の形なのに前置詞があるので真っ先に除外。② はなかなか面白い選択肢で、have got という表現はイギリス英語で、アメリカ英語では have と同じ意味になります。よって ④ と同じになるのでこれも除外。③ は動作「結婚する」を表しますが、それが for six years では、6年の間、結婚したり離婚したりを繰り返した(!?)という訳の分からない状況になってしまいます。よってこれも不可。この文は現在完了の継続ですので、① の have been married いう「状態」を表す表現が適切です。

例題4:正解 ④
We (will have been married) for four years in April this year.
(私たちはこの4月で4年間結婚していることになる)
① have married    ② will be married
③ will have married  ④ will have been married

まず時制について考えると、in April this year(今年の4月)自体は、現在・過去・未来のいずれともとれるので、これだけでは選択肢を絞ることができません。ポイントは for four years です。for(~の間)のように、幅のある時間は原則として完了時制を使って表すので、この時点で②は除外できます。

次に marry の語法について考えます。ここでは marry の主語が We という複数になっているので目的語が不要。よって受動で表す必要があり、残った選択肢①③④で受動の形になっているのは ④ のみですね。

確認テスト

  • marry は自動詞?他動詞?
  • be married ~ に続く前置詞は?
  • 「ジョンはスーザンと結婚した」を二通りの英文で表せ。
  • 「ジョンはスーザンと結婚していた」を英文で表せ。
  • 「ジョンスーザン結婚していた」を英文で表せ。
  • 「ジョンスーザン結婚した」を英文で表せ。
  • B!