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発音・アクセント

発音記号の一覧と読み方・覚え方の解説(音声付き)

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みなさん、発音記号を読めますか?「覚えられない」という声もよく聞きますが、ほとんどはアルファベットの読み方と同じで、覚えなくてはいけない独特の記号は10個ちょっとしかありません。発音記号を覚えておけば、日々の単語学習が発音問題対策になります。是非この機会に発音記号を覚えてしまいましょう。

ここでは発音記号一覧と、その読み方覚え方基本を解説します。発音の説明はなるべくカタカナを使い、直感的に理解しやすいように心がけました。音声も多くつけていますので、是非活用してください。また、練習問題も用意しましたので、チャレンジしてみてください。

発音記号一

ここでは読み方の説明は簡略化しています。詳しい説明は次章を参照してください。また、音声は特に表記していないものは米音です。

母音

発音記号読み方単語の例音声
[ə]口小さくあいまいな「ア」about [əbáut]

[æ]「ア」と「エ」の中間swam [swǽm]
[ʌ]日本語の「ア」swum [swʌ́m]
[i]「イ」でOKpit [pít]
[u]「ウ」でOKput [pút]
[e]「エ」でOKpet [pét]
[ɑ]口大き目の「ア」hot [hɑ́t] ※米
[ɔ]口大き目の「オ」hot [hɔ́t] ※英
[ɑː(r)][ɑ] を「アー」と伸ばす。
米ではスペルに r があったら
舌を巻いて[r]を発音
father [fɑ́ːðər]
hard [hɑ́ːrd] ※米
hard [hɑ́ːd] ※英


[əː(r)][ə] を「アー」と伸ばす。
米ではスペルに r があったら
舌を巻いて[r]を発音
bird [bə́ːrd] ※米
bird [bə́ːd] ※英

[iː] [uː] [juː]長母音
「イー」「ウー」「ユー」
beat [bíːt]
boot [búːt]
abuse [əbjúːz]


[ai] [ei] [ɔi]
[au] [ou]
二重母音
「アイ」「エイ」「オイ」
「アウ」「オウ」
bike [báik]
bake [béik]
boy [bɔ́i]
bow [bɑ́u] (お辞儀)
bow [bóu] (弓)




子音

2つ並んでいるものは、左が無声音、右が有声音です。

発音記号読み方単語の例音声
[s] [z]「ス」「ズ」でOK
(ただし「シ」ではなく「スィ」、
「ジ」ではなく「ズィ」)
see [síː]
disease [dizíːz]

[ʃ] [ʒ]「シーッ、静かに」の口で「シ」「ジ」
(「シャ」行、「ジャ」行の感覚)
she [ʃíː]
usual [júːʒuəl]

[p] [b]「プ」「ブ」でOKpet [pét]
bet [bét]

[t] [d]「トゥ」「ドゥ」でOKteam [tíːm]
deem [díːm]

[k] [g]「ク」「グ」でOKcame [kéim]
game [géim]

[f] [v]上の歯を下唇に当てて「フ」「ヴ」fine [fáin]
vine [váin]

[θ] [ð]舌の先を下唇に当てて「ス」「ズ」
(「サ」行と「タ」行の中間、
「ザ」行と「ダ」行の中間の感覚)
thought [θɔ́ːt]
though [ðóu]

[tʃ] [dʒ]日本語の「チッ」「ヂッ」に近い
(「チャ」行、「ヂャ」行の感覚)
cheap [tʃíːp]
jeep [dʒíːp]

[m] [n] [ŋ][m]は唇を閉じて「ン」
[n]は唇を開けて「ン」
[ŋ]は「ング」に近いが「グ」ははっきりと発音しない鼻濁音
sum [sʌ́m]
sun [sʌ́n]
sung [sʌ́ŋ]


[h]「ハ」でOKhouse [háus]
[l]下先を上の前歯の裏につけたまま「ル」
(語末では「ユ」っぽい)
light [láit]
feel [fíːl]

[r]「ゥル」
(最初に軽く「ゥ」を言ってからのラ行」)
right [ráit]
[w]唇を前に突き出して「ウ」wing [wíŋ]
[j]「ユ」(「ヤ」行の感覚)
(※「ジャ」行ではないので注意)
young [jʌ́ŋ]
yes [jés]

解説

[ə] について

いわゆる「逆さe」の記号です。この音は、口をあまり開けず、あいまいな感じで」と発音します。ただし、あいまいな音ですので、その単語によって、スペルにつられるように「」「」「」「」「」のどれにも聞こえることがあります。

about [əbáut]
uniform [júːnəfɔ̀ːrm]
today [tədéi]
children [tʃíldrən]
complete [kəmplíːt]

またこの音は、必ずアクセントのない音節に現れます。よって音としての重要性は低く、発音問題で問われることはあまりありません。

結論としては、この記号は「『アイウエオ』のどれにもなりうるあいまいな『ア』」と理解しておきましょう。

[æ] について

a と e を一筆でつないだようなこの記号は、その見た目の通り、エとアの中間の感じで発音します。うまく発音できない人は、気持ちエを強めに、または「ェア」のような感じで読んでみましょう。

apple [ǽpl]
bag [bǽg]

とは言え、イギリス英語では「エ」の音が弱く「ア」に近い音になるので、「エ」の音がうまく出せなくてもあまり気にする必要はありません。とりあえず、この音はエとアの中間だということを理屈として覚えておきましょう。また、この音は、a のスペルで現れるということ是非覚えておいてください。

[ʌ] [ɑ] [ɔ] について

[ʌ](「逆さv」)、
[ɑ](ブロック体で書いた a のような記号)、
[ɔ](「逆さc」)
の3つについては、まとめて説明します。まずは以下の音声を比較してみてください。

  • [ʌ]…日本語の「ア」とほぼ同じ。短い音
    luck [lʌ́k]
  • [ɑ]…口大き目の「ア」。やや「アー」と伸ばす感じ
    lock [lɑ́k](※米)
  • [ɔ]…口大き目の「オ」
    lock [lɔ́k](※英)

まず、[ʌ][ɑ] と [ɔ] を区別しましょう。ざっくり言えば、[ʌ] と [ɑ] は「」で、[ɔ] は「」です。

[ʌ] と [ɑ] の区別

厄介なのは [ʌ] と [ɑ] の区別です。比較してみれば、確かに上で紹介したような違いはありますが、実際、咄嗟の発音や聞き取りでこの2つを区別することは、日本人にとってはなかなか困難です。

そこで、これらの記号については、ちょっと視点を変え、理屈で理解しましょう。

ポイントは、[ɑ] はアメリカ英語で現れる音、[ɔ] はイギリス英語で現れる音で、この2つの音は表裏一体だということです。例えば、上の例でも紹介している通り、lock という単語は、アメリカ英語では [lɑ́k](ラック)、イギリス英語では [lɔ́k](ロック)と発音します。また、want という単語は、アメリカ英語では [wɑ́nt](ワント)、イギリス英語では [wɔ́nt](ウォント)と発音します。つまり、[ɑ] と [ɔ] は相互に置き換えが可能で、「ア」と読んでも「オ」とも読んでもOKなのです。おそらく多くの日本人にとっては、イギリス英語の「ロック」「ウォント」の方が馴染みがあるかと思いますが、アメリカ英語の「ラック」「ワント」も、「いかにも英語らしい発音」と感じられると思います。

ところが一方、[ʌ] の音は英米で共通で「ア」であり、これを「オ」と読むことはできません。luck(幸運)という単語の発音は絶対に「ラック」であり、これを「ロック」と読んだらおかしいですよね。bus [bʌ́s] は絶対に「バス」であり、「ボス」にはなりません。country [kʌ́ntri] は絶対に「カントリー」であり、「コントリー」にはなりません。

結論としては、「『ア』とも『オ』とも読める音」が [ɑ|ɔ] で、「『ア』としか読めない『オ』と置き換えるとおかしい」が [ʌ] と考えておくと理解しやすいです。 また、[ɑ|ɔ] は o のスペルでよく現れ、[ʌ] は u のスペルで多く現れるということも覚えておきましょう。

[ʃ] [ʒ] について

[s] と [z] をそれぞれ縦に細長くつぶしたような記号が [ʃ] と [ʒ] です。「シーッ、静かにして」の口で、息だけ出したのが [ʃ] で、声を出したのが [ʒ] です。[ʃ] は日本語の「シャ行」つまり「シャ・シ・シュ・シェ・ショ」、[ʒ] は「ジャ行」つまり「ジャ・ジ・ジュ・ジェ・ジョ」と考えると分かりやすいと思います。

pressure [préʃər]
measure [méʒər]

発音自体はさほど難しくないでしょう。

[ʃ] と [s] の区別

気を付けないといけないのは [ʃ] と [s] の区別です。[ʃi] は「」で、[si] は「スィ」だということをしっかり意識してください。

she [ʃíː]
see [síː]
shit [ʃít]
sit [sít]
sheet [ʃíːt]
seat [síːt]

有名な早口言葉がありますのでトライしてみましょう。

She sells sea shells by the sea shore. (彼女は海岸沿いで貝殻を売る)
[ʃíː] [sélz] [síː] [ʃélz]     [síː] [ʃɔ́ːr]

[θ] [ð] について

[θ] は数学で使う「シータ」と同じ記号です。
[ð] は「6」を左右逆に書いて上に短い線をクロスした感じの記号です。

まずは、舌先を軽く噛んで息だけ出してみてください。それが [θ] です。そして、その口のまま声を出せば [ð] になります。これが模範的な発音です。

しかし、咄嗟に単語を発音するのに、いちいち舌を噛むのは大変です。そこで、簡略化して、舌を噛むか噛まないかのギリギリのところで、舌を前歯につけて同じように発音してみてください。実際、ほとんどの場合このように発音されます。コツとして、[θ] の場合「サ」行と「タ」行の中間のように、[ð] の場合「ザ」行と「ダ」行の中間のつもりで発音すると、近い音になります。

thief [θíːf]
these [ðíːz]
bath [bǽθ]
bathe [béið]

[tʃ] [dʒ] について

その見た目の通り、[] は [t] と [ʃ] を掛け合わせた音、[] は [d] と [ʒ] を掛け合わせた音です。それぞれ、日本語の「チャ」行、「ヂャ」行の感覚と考えるとよいでしょう。

choke [tʃóuk]
joke [dʒóuk]
rich [rítʃ]
edge [édʒ]

[dʒ] と [ʒ] の区別

難しいのは [] と [ʒ] の区別です。この2つはどちらも「」と聞こえますが、厳密には [dʒ] の方は舌を歯茎につけて発音するのに対し、[ʒ] の方は舌が歯茎につきそうでついていない、という違いがあります。簡単に言えば、 [dʒ] の方が濁りが強く、[ʒ] の方が軽い響きがするとも言えそうです。

soldier [sóuldʒər]
measure [méʒər]

違いを聞き分けることができたでしょうか?できたのであれば、相当耳がよいです。正直言うと私は区別できません。おそらく多くの日本人にとって、この2つを区別することは至難の業だと思います。

とは言え、厄介なことにこの区別はたまに発音問題で出題されることがあります。そこで、発音問題対策として、以下のルールを覚えておきましょう。

  • s, z のスペルで「ジ」と発音する ⇒ [ʒ]
    例:leisure, pleasure, seizure
  • それ以外(d, g, j)のスペルで「ジ」と発音する ⇒ []
    例:soldier, procedure, general, suggest, object, judge
    ※例外:rouge [rúːʒ] :フランス語由来の単語で、フランス語には [dʒ] の音がないため

[ŋ] について

ng が合体したような記号 [ŋ] は、その見た目の通り「ング」に近い音です。ただし、「グ」とはっきり発音してはいけません。この音は鼻濁音で、鼻にかける鼻から抜ける)音になります。

尚、鼻濁音は日本語にも存在し、通常の濁音と区別するために「か゜」「き゜」「く゜」「け゜」「こ゜」と表記されます(発音記号で表記すると[ŋa][ŋi][ŋu][ŋe][ŋo])。ちなみに私は小学校の音楽の時間に、「花『が』咲いた」ではなく「花『か゜』咲いた」と歌うように」と教えられました。まずは日本語の鼻濁音を聞いて、この音を理解してください。

この音のイメージで ng を発音します。

king [kíŋ]
hanger [hǽŋər]

ng のスペルを見るとつい「ング」と発音したくなりますが、実際には多くの場合 [ŋ] であることに注意してください。特に -ng で終わる単語とその派生語(例:hang ⇒ hanger)では必ず [ŋ] になります。

練習問題

次の発音記号に相当する英単語を答えなさい(※表記の発音記号は米音)

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都内の某予備校で講師をしています。受験生の役に立つ情報をどんどん提供していきたいと考えていますので、「この文法が分からない」「こんなまとめが欲しい」など、ご意見・ご要望・ご質問等がありましたら、コメントを通じてお気軽にご連絡下さい。

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