例題
1. 次の英文のカッコ内に入れるのに最も適当なものを選びなさい。
- It is reasonable for her to get a prize this time, ( ) her dedication to the project.
① given ② offered ③ taken ④ thought
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2. 日本文の内容を表すように ( )内の語句を並べ替えなさい。
- 近年になされた進歩を考えれば、さらに3年というのは、その産業内で大きな変革を起こすのに十分なのかもしれない。
( given / in / made / recent / the progress / years ), another three years could be enough for a significant change in the industry. 解答を表示
given は分詞構文
given「~を考慮すると」という超重要表現がありますが、日頃生徒を見ていて、定着度が非常に低いことが気になっています。上のような問題も非常に正答率が低いです。これはおそらく、なぜそのような意味になるのかがピンときていないからではないでしょうか。そこで今回は、given の意味の由来や、その使い方について詳しく説明します。
以下のような例文を考えてみましょう。
Given the number of people we invited, I'm surprised so few came.
(私たちが招待した人の数を考慮すると、私は来た人がこんなに少なかったことに驚いた)
一般的な参考書では、given は分詞構文の慣用表現として紹介されています。そこで、この分詞 given に接続詞と主語を補い、この文を分詞構文にする前の元の文(節)に書き換えてみましょう。例えば
Seeing me, he ran away.
↓
When he saw me, he ran away.
のよう書き換えです。すると、今回の例文は以下のように書き換えることができます。
Given the number of people we invited, I'm surprised so few came.
↓
If I am given the number of people we invited, I'm surprised so few came.
ここで補う接続詞は If(もし~なら)とします。主節の主語は I で、時制は現在ですので、補うべきものは If I am ですね。
この文を直訳すると以下のようになります。
「もし私たちが招待した人の数を与えられると、私は来た人がこんなに少なかったことに驚いた」
この given は、ごく普通の give の意味「~を与える」の過去分詞と考えてください。状況としては、例えば「私たちが招待した人の数」が記されたリストを渡された場面を想定しましょう。あなたが社長だとして、社員から「社長、こちらが弊社が招待したお客様のリストです」と報告を受けたような状況ですね。その渡されたリストを見て、あなたは「なんだ、こんなにたくさん招待したのに、これしか来てないのか!」と驚いているわけです。
というわけで、この直訳でも意味は十分通じますね。つまりこの given は、そんなに特別な慣用表現というわけではなく、本来の give の意味「~を与える」から派生したものなのです。少し言葉を補うと「(判断の根拠として)~を与えられると」ということです。そこから「~を考慮すると」という意訳が生まれました。
given の品詞は?
ところで、この given の後ろには常に名詞[=目的語]があることに注目してください。この「given + 名詞」という形と、その意味「~を考慮すると」に慣れ親しんでいるうちに、次第にこの given が前置詞のように感じられるようになってきました。
またその一方で、given の後ろには、名詞(句)のみならず、名詞節(that節)が置かれることがあります。例えば以下のような例文です。
It was surprising the government was re-elected, given that they had raised taxes so much.
(大きな増税をしたことを考えると、政府が再選されたことは驚きだった)
この「given that」をひとまとまりとして考えると、その後には節(S+V)が続いているので、given that は接続詞のようにも見えます。
というわけで、本来 given は本来分詞構文から派生した表現なのですが、現在 given はどの辞書にも独立した項目として「前置詞的・接続詞的」と記載されています。是非一度 given を辞書で調べて確認してみてください。
ちなみに、このような使い方の given について、「文頭にあるとき」と考えている人がいるようですが、決してそうとは限りません。前置詞や接続詞がいつも文頭にあるとは限らないですよね。今回の記事でも、given が文中にある例文をいくつかご紹介していますが、given が導く句・節が後半に置かれることは普通にあるので注意してください。
given の書き換え
「~を考慮すると」にあたる有名な表現に、considering ~ があります。
given = considering
と考えて構いません。
Given the number of people we invited, I'm surprised so few came.
=Considering the number of people we invited, I'm surprised so few came.
ちなみに、considering も本来は分詞構文でしたが、辞書には前置詞として記載されています。
ここで、もう一つ正答率が低い問題をご紹介します。
( ) that I was tired, I managed to play the piano pretty well.
① Considered ② Given ③ Providing ④ Thinking 解答を表示
正解が Given であることは想像できた人が多いかと思いますが、他の選択肢、特に ① の Considered がなぜ違うか説明できるでしょうか?
この句を節に書き換えると、consider がおかしいことが分かりやすくなると思います。
If I am considered that I was tired, I managed to play the piano pretty well.
まず、主節の主語が「私」という人間であることに注目してください。「『私』が考慮『される』」のはおかしいですよね。「『私』は考慮『する』」側です。
また、consider の受動態の後に目的語であるthat節が続いているのもおかしいです。
これに対して、以下のように give の受動態の後に目的語が続くことは正しいことを再確認してください。
If I am given that I was tired, I managed to play the piano pretty well.
「『私』が~を(判断材料として)『与えられる』」のはおかしくないですね。大きな違いは、give は第四文型をとれるけれど、consider は第四文型をとれないということです。つまり give は目的語が2つとれるので、受動態 given にしたときに、その後ろには目的語がもう1つ(ここでは that~)が残ってよいのです。一方、第三文型 consider の受動態 considered の後ろには目的語があってはいけません。considered ではなく、能動の considering なら、後ろに目的語を置くことができるのでOKです。
「given + 名詞」 は正しいけれど「considered + 名詞」は正しくない ― このことは直感的に分かるよう、その理由と共によく理解しておいてください。
他の選択肢についても触れておくと、③ は providing that ~ は、形としてはありますが、「~と仮定すると[≒if]」という意味(これも重要事項です!)なので文脈的におかしく、④ は、think that S + V が「~であると思う、信じる」という意味で、「~を考慮する」という意味にはならないので不可。仮に think(ing) about ~ だったら意味としては近いものになりますが、think about that S + V と言うことができないので、それはそれで不可です。