私の生徒でも英検準一級を受ける人が多く、その中でも二次試験の面接に関する質問を受けることがあります。そこで、今回はその面接の対策をまとめてみました。ちょっとやりすぎと思うくらいに、解答パターンをマニュアル化しています。もちろん、ここに書いてあることが絶対ではありませんが、何をどう答えたらよいか思いつかない人や、なるべく楽に合格したいという人は是非参考にしてください。
ナレーション
書き出し(One day, ~)を忘れず読む
意外と忘れがちなので、気を付けてください。
1コマを2文で説明する
1コマの中には基本的に登場人物が必ず2人[または2組]います。それぞれの人物について、セリフ・動作・心情のいずれかを、1人[組]につき1文ずつ、計2文述べましょう。場合によっては3人[組]以上いる場合もあり、その場合は3文でもよいですが、主要な人物は2人[組]のはずなので、基本的に2文でOKです。もちろん、言い足りなければ3文以上述べても構いません。
過去時制で表現する
文は全て過去形または過去進行形で表現しましょう。ただし、セリフの部分は、時制を意識せず直接話法で述べればOKです。
直接話法がオススメ
直接話法とは、The woman said to him, “I am here.” のように登場人物のセリフをそのまま述べる文で、間接話法とは The woman told him that she was there. のように、その状況を客観的に述べる文のこと。間接話法がスラスラ言えればたしかに格好よいのですが、時制の一致をしたり、代名詞の転換をしたりなど何かと面倒です。やはり断然楽なのは、そのコマに書かれているものをそのまま読める直接話法です。決してそれで評価がマイナスになることはありません。
尚、直接話法の文は、S said to 人, “セリフ” という形になります。said that ~ と言わないように気を付けてください。また時制や代名詞などについても、直接話法と関節話法が混じらないように気を付けてください。
書いてあるものはそのまま言う
コマの左上に ~ weeks later や At ~ など、時や場所の説明が書かれていたら、必ずそのコマの説明の最初にそのまま読みましょう。また、その他にもコマの中に何らかの文や単語が書かれていることがありますが、それらもなるべくそのまま説明の中に組み込むようにしましょう。わざわざ言い換える必要はありません。名詞修飾の分詞、または分詞構文の saying を使うと便利です。
The staff member was showing him a newspaper article saying “Severe weather increasing” and said to him, “We need to be prepared.”
The man was listening to her.
At a staff meeting, the man was presenting his ideas to his staff members. One of the ideas was to strengthen the building, and the other was to buy more survival kits.
The staff members agreed with the ideas.
感情表現を盛り込む
これは必須ではありませんが、セリフがない人物については、その表情を読み取り、なるべく何らかの感情表現を加えて説明しましょう。例えば感情表現には以下のようなものがあります(※動詞は適宜過去形・過去進行形に活用させてください)
- be[look/feel] happy
- be[look/feel] pleased
- be[look/feel] satisfied
- be[look/feel] sad
- be[look/feel] worried
- be[look/feel] concerned
- enjoy (~ing)
- complain (about/that ~)
- miss(~がなくて寂しく思う)
また、これらはセリフがある人物について使っても構いません。その場合は、The woman was worried and said ~. など、say を交えて使ってください。
The next day, the man was at the hotel lobby. Two guests were complaining to him, saying “We couldn’t enjoy our view of the beach.”
No.1
絵の4コマ目を見て、If you were ~, what would you be thinking? という仮定法の問に答える問題です。
質問例:Please look at the fourth picture. If you were the man, what would you be thinking?
答えは基本的に2文(またはそれ以上)で構成しましょう。
1文目:考え
聞かれた通りの仮定法過去の進行形 I’d be thinking ~ という形で答えを始めます。自分の考えをすっきりと1文でまとめましょう。尚、この考えの部分は直接法でOKです(例:I’d be thinking that it is a shame ~.)。
解答例(1文目):I’d be thinking, “I’m sorry that some guests couldn’t enjoy the view of the beach due to the construction work. …
2文目:補足
続けて、1文目を補足する(説得力を持たせる)2文目を述べます。この文も直接法でOKです(1文目の I’d be thinking の目的語の続きと考える)。
解答例(2文目):However, we need to consider the long-term benefits. The hotel’s top priority is the safety of its guests.“
「後悔」「対策」を盛り込む
この4コマ目は、たいていハッピーエンドでは終わらず、何らかの問題が起こります。何を言ったらよいか思いつかない人は、その問題に対する「後悔」や「対策」を述べましょう。「1文目=後悔」「2文目=対策」にするのが構成しやすいと思います。上の解答例もそのような構成になっています。
■「後悔」の表現例:
- should have done ~.(~するべきだった)
- shouldn’t have done ~.(~するべきではなかった)
- could have done ~.(~することができただろう)
- be sorry that ~.(~であることは残念だ、可哀想だ)
- ~ing was a mistake.(~したことは間違いだった)
- It’s too bad that ~.(~であることは残念だ)
- It’ a shame that ~.(~であることは残念だ)
- It’s very sad that ~.(~であることは悲しい)
■「対策」の表現例:
- should[need to/have to] do ~.(~すべきだ)
- shouldn’t do ~.(~すべきではない)
- It would be better if 仮定法過去(もし~なら、もっとよいだろう)
No.2~4
Yes/No で答えられる質問に対して、その答えと自分の意見を述べる問題です。これも答えは基本的に2文(またはそれ以上)で構成しましょう。
Yes/No を述べる
まず質問に対して、Yes (,I think so). か No (,I don’t think so). のいずれかを述べ、自分の立場を明らかにします。どうしても賛成か反対か決めかねる場合は、It depends(一概には言えない). とする手もありますが、できればどちらか決めたほうが話しやすいはずです。尚、肯定・反対は必ずしも自分の本音でなくても構いません。その後に自分の意見を展開しやすい方を選びましょう。
質問例:Do you think that efforts by individuals can help to reduce global warming?
1文目:理由
Because ~ で始めて、賛成・反対の理由を1文ですっきりと述べましょう。理由の中身は質問によっても変わってきますが、大まかな傾向として、「必要性」や「現状」を述べると理由にしやすいです。
- Because it is necessary[important] to do ~.【必要性】
(なぜなら~することは必要[重要]だからだ) - Because ~ is essential for ….【必要性】
(なぜなら~は…に不可欠だからだ) - Because they should[need to/have to] do ~.【必要性】
(なぜなら彼らは~すべきだからだ) - Because they have responsibility to do ~.【必要性】
(なぜなら彼らは~する責任があるからだ) - Because ~ these days[recently].【現状】
(なぜなら最近は~だからだ) - Because we have already done ~.【現状】
(なぜなら私たちはすでに~してきたからだ) - Because most[many] ~.【現状】
(なぜならほとんどの[多くの]~は…だからだ) - Because we tend to do too ~.【現状】
(なぜなら私たちはあまりにも~する傾向があるからだ)
解答例(1文目):Yes, I think so. Because making small changes have big effects in the long run.【真理】
2文目:説明の補足
そして2文目で、1文目の内容に説得力を持たせる説明の補足を述べます。基本的には、1文目の続きになるようなこと、例えば「1文目で述べたことによる影響」や「それがなかった場合の影響」、あるいは「現状を改善するための提案」などを述べるとよいでしょう。どうしても、きれいに続くものが思いつかない場合、「1文目の具体例」や「2つ目の理由」を探して、なんとか2文にまとめてください。
- That way [By doing so], they can ~.【影響】
(そうすることによって、彼らは~できる) - Without …, we can’t do ~.【影響】
(…がないと、我々は彼らは~できない) - We should do ~ more …【提案】
(私たちはもっと~すべきだ) - If …, we can do ~ more ….【提案】
(もし…なら、私たちはもっと~できる) - For example[instance], ~.【具体例】
(例えば、~) - Also[In addition/Moreover], ~.【2つ目の理由】
(また、~)
解答例(2文目):If we save the amount of energy we use in our daily lives, we can definitely reduce the amount of carbon dioxide released into the atmosphere. 【提案しつつ1文目の主張を具体化している】
まとめ
いかがでしたでしょうか?いろいろ細かいことを書いてきましたが、一番大事なことは、生身の人間とのやりとりがスムーズにできるかということです。もし聞き取れないことがあったら、慌てずに I beg your pardon? と言って聞き返しましょう。また、うまい言葉が思いつかなかったら、どんな変な言い回しでもよいので、とにかく何かしゃべって相手に自分の意思を伝える姿勢を見せてください。二次試験の合格率は8割と言われています。自信を持って臨んでください!